第13話
お久しぶりです
「は?お前は何を言っているのだ」
「何のことでしょう」
「お前らがキャスリンのことを殺しただろう。わかっているぞ」
しばし沈黙が流れる。本当に何を言っているのだ、この人は。
「本当に何もしていないのですが、、、」
「そんなわけないだろう!!」
激高した旦那様は、壁が震えるほどの大声を出したあと、私を殴ろうとして手に力を入れた。
その時。
「お言葉ですが、」
今まで静かに成り行きを見守っていた家政婦さんが、声を発した。
「昨日の件をもうお忘れになられたのですか。昨日、現行犯で旦那様とキャスリン様の関係を私たちは見ました。基本的には、旦那様には罰が下されるはずですよね。この国で婚約者や妻がいる場合、違う方と恋愛的関係を結ぶのは違法ですよね。もちろん、体の関係も」
「そうだが、それがどうした」
「旦那様の罪を、一度見送って更生されることを奥様は祈っておりました。それを無下にしているのはあなたではないですか。そもそも、奥様は旦那様の罪――悪事とでもいった方がいいでしょうか。それを許したお方です。そんな方が、キャスリン様の命を奪うなんてことをすると思いますか」
早口で一気にまくし立てた家政婦さんは、息を吸った。そして、
「なにか反論はありますか」
またもや沈黙。そして
「そうかそうか、お前たちはそんなにも俺のことを悪者にしたいのだな」
と、見当はずれなことを旦那様はさも正義かのように話し始めた。




