表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

9

 はした金は既に尽きかけている。


 だが死ぬ程の空腹も、寒空で何かに怯えながら寝る事も、もう無理に思えた。


 今度こそ上手くやる。

 身体を使わず、甘い言葉と涙だけで食事とお金を手に入れる。


 そう思いあの場所へ。



 程無く声を掛けられた。


 歩きながら、甘い声で食事をねだると、笑顔の二つ返事で了承してくれ。

 簡単な事だと思った。

 この男ならお金も簡単に貰えそう。ぅふふ。


 そんな事を思いながら、付いて行ったから? 周りが見えていなかった。


 気付いた時には、色っぽい女性の声が飛び交う裏の繁華街。


 嫌な予感がして、慌てて逃げようとするも……。


「今更何処へ行く気だ?!」

 っと言い手首を強く掴まれ、締め上げられた。


 口に布を押し込まれ、強い力で女郎屋(遊女屋)の中へと連れ込まれた。


 意味が分からなかった。

 女郎屋に女連れで入る事が有るのだろうか?

 そんな遊び方が有るのだろうか?


 だが、急に態度と雰囲気を変えた男に、ただならぬ危険を感じ逃げ出したかった。

 掴まれて居なかったなら。


 訳も分からず恐怖から足がすくむ。



 男に連れて行かれたのは肌寒い地下室。


 口に押し込まれた布を何とか吐き出したが、此では外へ声も届かない。



 始めは何を言われるでも無く、何を聞かれるわけでも無く、ただ殴られた、殴られ続けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ