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 奴隷の身分から解放された。


 取り敢えず生活する為のお金を稼がなきゃ。

 故郷へ帰る方法は後で考えよう。



 だが一日歩き回っても仕事にありつけず、夕方には空腹と心細さから元主人の所へ帰ろうか迷うも帰らなかった。気不味さから帰れなかった。


 それが最後の選択とも知らずに。



 日は落ち辺りは暗くなり、家々を周り泣きすがるが、誰も泊めてくれる者など居はしない。

 詐欺や泥棒、下手すれば殺人を犯した犯罪者かも知れない他人。


 村なら皆が知り合いだった、皆が助け合って暮らしてた。

 だが此処では住んでいた村とは違う、皆知らない人、そう赤の他人なのだ。



 道端で若い女性が途方に暮れていれば、酒臭いオヤジが声を掛け、無視すれば手を掴んできた。


 恐怖と一緒に手を振り払い、走って逃げた。

 町から少し離れ、垣根の陰で身を縮めて夜を明かす。


 翌日も仕事は見つからず、町を歩き回れば、もしかしたら元の主人が見つけてくれないかと……心の何処かで期待し、夕方にはその思いで埋め尽くされた。

 されど思いは、願いは叶わず。



 町で仕事を探すには誰かの紹介が無ければ難しい、それは誰も泊めてくれないのと同じ理由。

 雇い入れた者が犯罪者では困るのだ。


 例外が有るとすれば、腕に自信があり危険な魔物と戦う覚悟有れば、冒険者。


 若い女性なら他にも有るが、それは本人の意思次第だ。言わずもが。

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