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毎日、客に、男に、奉仕した。
生きる為、お金を稼ぐ為。
だが、給金は部屋代やら客の残した物の清掃費やら、風呂代に客の紹介料と他にも何だかんだと天引きされ、手元には入って来ない。
それどころか熱でも出そうものなら、借金させられ死ぬまで飼い殺しだ。
ここに居る者は皆がそう、年季なんて無い分、奴隷より更に悪い。
元主人の事を受け入れれば良かった。
この事を何度も何度も噛み締める事に成るとは思わなかった。
今更ながら後悔した。いや、後悔だからこそ今なのか?
何にしても遅すぎた。御主人様……。
目は滲み視界を歪め、言葉は掠れ……「助けて」と――伸ばした手は空を切る。
異世界転生した僕は、一人目の奴隷と同じく二人目も解放し、三人目の奴隷を選び買いに行く。
解放した奴隷は幸せに成っただろう事を、疑わなかった。
奴隷身分から解放され自由にしてあげたのだから。
僕の事を受け入れてくれる女性に中々出会えず、ハーレム計画は進んで無いが、悪い気はしてない。
むしろ奴隷を解放し良い事をしていると、ある種の自己満足に浸っていた。
涙無しに僕の事を受け入れてくれる、素敵な女性に、運命の人に逢えると信じて。
だが、その影で、奴隷商の言葉で、思惑で、邪魔をされて上手く行く筈が無い。
奴隷商は二人目同様、「夜伽を迫られたらても泣けば何もされない」と囁く様に二度、耳打ちして三人目の奴隷を送り出した。
奴隷商は命令してはいない、奴隷商は何も悪くない。後は本人次第。
だが、そんな話を聞いて泣かない奴隷はいない。




