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夜明け
一方その頃、異世界ラムレリアの極東にある島国ジャポンでは……
火曜サスペンス劇場にしょっちゅう登場する福井県坂井市三国町安島にある東尋坊のような崖の上に成人男性が2人、海の向こうを睨みつけていた。夜空に瞬いていた星はすっかり消え失せ、東の空が白くもえはじめている。朝が来たのだ。
「ニホンの夜明けぜよ。性豪どん」
「坂本はん……あっしにはてんで分かりません。これからこの国はいったいどうなっていくんでごわすか?」
性豪どんの問いかけに坂本は顎を擦りながら滔々と語り始めた。
「このニホンという國は異国からすれば海に囲まれた極東にある小さな島国に過ぎん」
「そうでごわすな……(シカトかよこいつ)」
「性豪どん。輝かしいニホンの未来のため。かごんま魂を胸に共に戦おうぞ!!チェストッ!!!!」
「……」
異世界ラムレリアの歴史は、今は名もなきたった2人の青年の存在によって今まさに大きく揺らがんとしていた……