表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/28

プロローグ

新作です

宜しくお願い致します!

 ダンジョン都市であり、公爵都であるラッセリアにも冒険者ギルドがある

 

 この世界、冒険者ギルドと一応言っておくが体のいい職業安定所である

 商業、職人、傭兵、等の専門的なギルドが無いものが主に加入しているが兼業しているものも多い

 

 大きな都市なので東、西、南の三か所で、ここ西ギルドにはある有名なサブギルドマスターがいる


「あらー、今日も頑張っているじゃない。ジョグ」

かなりがっちりしたマッチョなボディーをギルドの制服に詰め込んだ男、ビュー・ウィンターが言う

赤みがかった濃いめの金髪を短く刈りこんでいるが、言葉使いは女性的である 


「今日も買い取り頼むよ」

ジョグは今パーティーの事情でシングルで冒険者をしている。だからダンジョンの中には入らず森での狩りが中心だ

森にも魔物が出るし、狩らなければならないのだが、パーティーを組んで大物を狙って欲しいのがギルドの本音である

それを全く指摘してこないビューにジョグは感謝していた


だから、ビューの恋人として幼馴染みの男を紹介したのだ

ジョグと同じ村出身の田舎者だったが誠実だった…はずだった

「おい!ビューいるんだろ」

銀行のカウンターのように整然とした雰囲気をぶち壊して若い男が入ってきた

酔っている


「職場には来ないでって言ったでしょ」

声はいつもの通り高めだが、口調は厳しい

「仕事はどうしたの?師匠にまた迷惑かけたの」

駆け寄り肩に手をかけようとしたしたが男は右手で大きく振り払う

「もう、いい加減にしろ!俺はもう嫌なんだよ。出ていく!」

「ちょっと、どうしたのよ。落ち着いてよ」

「もう無理なんだ。俺は都会暮らしには向いてないんだー」

そう言って今度は泣き出した


 硬い雰囲気の冒険者ギルドの中で完全に場違いである

ビューも慌てたが、ジョグも大慌てだ

「ちょっと、場所変えようぜ」

ビューに触れられる事は拒んだが、ジョグには素直に従って、3人で奥の部屋に入って行った


 沈黙が流れる

「師匠とうまくいってないのか?」

うつむいたままさらにうなずいた

「また、一ヶ月続かなかったな。村に帰るつもりなのか?」

「……」

ジョグが目で合図して、ビューは部屋を出た


 ビューが部屋を出た瞬間から幼馴染みは饒舌に話し出した 

「愛が重いんだよ。ビューは良い奴だし、一緒にいて楽しいけど、期待されすぎて」

ビュー本人に何かったあった時の為、手に職を付けたほうがいいと次々と職人を紹介していた

ひと月もたず、やめている


 ジョグのように戦う才能もなかった

「そもそも気合いが足りないんだよなー、お前。村に帰る根性もないよな」

「ほかの町に行って一人でやり直すさ」

「お前、世間をなめてんなぁ」

甘やかしたのは自分もなのだが、周りが見れないのは本人の責任だ

「じゃ、好きじゃなくなったか」

「別に、優しいから甘えてただけだ。いろいろと相性も良かったし。愛情はなかったな」

それから、しばらく話をして二人は部屋を出た


隣の部屋からビューが出てきたが幼馴染みは気がつかなかったようなので、そのまま帰らせた


 「ごめん」

ジョグは、ビューと二人きりの部屋で頭を下げる

「愛してくれてなかったのね」

そう言って、ポロポロと涙を流すビュー

オロオロしているジョグに口の端に少しだけ笑顔を浮かべて言った

「今は、一人にしてちょうだい」


ジョグは肩を落として部屋を出た







週3回のつもりですが、1話目が暗いので明日も投稿します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ