お父様、私は幸せになるそうですよ?
生まれつき体の弱いリーティアは、氷の城とも呼ばれる、凍てつく寒さの屋敷から出たことがなかった。しかし、14歳の誕生日が目前になると、公爵家と婚姻を結ぶため、屋敷を出ていかなければならなくなった。幼いころから両親に愛されていた記憶はないが、この屋敷の人たちは皆優しく、大好きな家族とも呼べる存在だった。本当はここから離れたくないが、今まで家の役に立つことができなかったリーティアには、これが最初で最後の奉公となる。
どうか…幸せになれますように。
どうか…幸せになれますように。