Sleeping Beauty
さて、シリィを目覚めさせないと・・・・。
なんとか、残った力を振り絞って立ち上がり、シリィの元へ向かう。
少女の全裸は、お年頃の僕には刺激が強すぎるので、近くの机のテーブルクロスをはぎ取って、シリィにかぶせた。
モテない男代表の僕にとって、少女の裸を拝めることなんか、もう一生無いと思うから、もう少し眺めていたかったなぁ・・・・なんてことは、考えてないですよ、全然。
シリィは眠っている。
シリィは、それはもう熟睡している。
もう二度と目を覚まさないんじゃないかと不安になるくらいに。
シリィの頬を軽く叩いてみる。
次に、少し力を入れて。
ダメだ。全然、目を覚ます気配がない。
呪いで付与されたスキル【Sleeping Beauty Curse】
『眠れる森の美女の呪い』
たしか、王子が、キスをすることで、眠っていた王女が目を覚す話だったなぁ。
“ごくり”
生唾を飲み込んで、あたりを見渡す。
キ、キスしてみる・・・・か?
もう一度、あたりを見渡す。
だ、誰もみてないし・・・・、い、いいよね?
シリィを目覚めさせないといけないもんね?
僕は、ゆっくりと顔をシリィに近づける。
“すん”
シリィが、少し大きく、息を吸い込んだ。
僕は、目を覚ましたかも、と驚き慌てて、シリィから、顔を遠ざける。
“すう”
可愛らしい寝息。
シリィは、目を覚ましたわけではなさそうだ。
念のため、シリィの頬を軽くつねってみる。
うん、大丈夫。
ぐっすり寝てる。
三度、僕は、あたりを見渡す。
ほんと大丈夫。誰も見ていません。
ええい、ままよ。
僕は、覚悟を決めて、シリィに顔を近づける。
こんなチャンス、もう一生ないかもしれないしね。
“ちゅっ”
唇と唇が軽く触れ合う感触。
僕とシリィは、淡い白い光りに包まれる。
ゆっくりとシリィのまぶたが開く。
そして、超絶至近距離で、僕とシリィの視線があった。
「・・・・シリィ」
「・・・・・・・・・・・・?」
一瞬の間。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
次の瞬間、僕は、シリィの繰り出した左フックに吹き飛ばされていた。
これが、シリィの利き腕の右腕のパンチだったら、僕は、あの世に旅立っていただろう。
とほほほ。
この後、なんとか町に戻ることができた僕とシリィは、一緒にあちこち旅をして、仲間を作って、ケッセン王家を復興することになるんだけど、その話は、また別の機会に。
まずは、なんとかシリィの誤解を解かないと・・・・。
とほほほほ。
この物語は、ここで、終了です。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
いろいろとチャレンジしてみたい、試してみたいことがあって、作成した作品です。
要望があるようでしたら、続編を書こうかなぁ?
(そんな要望・・・・・くるかな?)
みなさん、どんな感じでした?
ご感想をいただけると嬉しいです。
それでは、今後とも、よろしくお願い致しますね。