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呪われ魔術師、戦う!


 魔物に会うことなく、極めて順調に進んできたんだけれど、ケッセンの廃城の近くで、遂に魔物と遭遇してしまった。


 出会った魔物は、【角ウサギ】。

 駆け出しの戦士でも、ワンパンチで倒せるほどの弱っちい魔物だ。


 なるべく、戦闘を避けたい僕は、その【角ウサギ】から逃げ出すことにする。

 でも、逃げられなかった。

 逃げ出す方向に、すぐに回り込まれてしまって、逃げ出すことができないのだ。


 仕方なく、僕は攻撃を仕掛ける。

 でも、僕の攻撃は、【角ウサギ】に難なく避けられてしまうし、なんとか当たった攻撃も、【角ウサギ】に全くダメージを与えられない。


 【角ウサギ】からの攻撃も、なんとか避け続けることはできていたんだけど、ついに痛恨の一撃を食らってしまった。その一撃で、僕は、【瀕死の状態】においこまれてしまう。

 HPポーションで回復をはかろうにも、HPポーションを飲もうとする隙をつかれて攻撃されてしまえば、もう、それで僕は【死亡】してしまう・・・・。


 大ぴ~んち!!


 ちなみに、僕はいま、素手で【角ウサギ】と戦っている。

 呪いのせいで、武器が装備できないのだ。


 もともと、鋼の剣や大槍なんかの大層な武器は、魔法使いである僕には装備できないのだけど、杖や鞭なんかを装備すれば、【角ウサギ】程度の魔物だったら、肉弾戦でも互角以上の戦いができるはず。


 なにせ、短い間だったとはいえ、勇者のいるパーティに僕は属していたのだ。それくらいのレベルの高さ、強さが僕にはある。

 ・・・・あるよね。

 ・・・・あるかなぁ。

 現状を考えるに、なんだか自信がなくなってくる。


 兎にも角にも、現状、どうにかしないと、このままでは【角ウサギ】に負けてしまう。


 いかんせん攻撃力が足りないのだ。ナイフでも、最悪、木の棒でもいい、なにか攻撃力がUPする武器を装備することができれば、この状況を打開できる。


 そういえば、僕が武器を装備できないのは、【呪いの紡錘】がすでに装備されてしまっているからだ、と神官が言っていたっけ。しかも、呪いが解けないと、【呪いの紡錘】の装備を解除できないと。

 でも、【紡錘】なんて装備していないしなぁ。そもそも、【紡錘】って、武器ですらないし・・・・。


 【角ウサギ】から視線を外さないように注意しながら、右手の指を開いたり、閉じたり「にぎにぎ」してみる。


 やっぱり、なんにもないよなぁ。

 「紡錘、出ろ!」って念じたら、なんかでてくるかしら?


 ”にぎっ”


 ぬおっ、なんかでた。


 視線を落として見てみると、金属製の紡錘が、右手に現れていた。

 紡錘の先は鋭く尖っていて、毒針のよう。はずみ車は、鍔のようにも見える。大きさは、ナイフよりも少し大きい程度だけれど、なにもないよりは、随分マシなような気がしてきた。


 ん?

 し、しまった・・・・!!


 僕が視線を外した隙を見逃さず、【角ウサギ】が、目前に突進してきていた。体当たりで、一気に勝負を決める気だ。


 反射的に僕は【呪いの紡錘】を【角ウサギ】に向かって突き出していた。


 ”ぷしゅっ”


 なんか空気が抜けるような音がして、【角ウサギ】の姿が光と化す。


 え? 

 倒せた? 

 一撃で?


 あまりに予想外の展開に、自分が一番驚いてしまった。


 ひとまず、HPポーションを飲んで回復。

 一息つく。


 この紡錘、最強だ。

 一撃で、魔物を倒してしまうなんて。

 さすが、呪いのかかった逸品だ。


 これなら、攻撃力なんて関係ない。

 とにかく、敵にこの紡錘の先を当てればいいんだから。


 もしかして、僕、最強になっちゃった・・・・?



最強の武器【呪いの紡錘】!

・・・・ていうのは、大きな勘違い。


単なるビギナーズラック、まぐれです。


でも、最強と勘違いした魔術師は、意気揚々とケッセンの廃城に乗り込んで行く。


廃城で、魔術師を待ち受ける試練とは・・・・?



感想など、お聞かせいただくと嬉しいです。

あと、よろしければ、ご評価よろしくお願いいたします。

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