プロローグ
みなさま、はじめまして。
さきほどトラックに轢かれた大学1年生の朝比奈 由紀です。みなさまにどうしてこうなったかを説明するため少し前に遡ります。
さきほど大学1年生と言いましたが、私が轢かれた日が入学式でしたので大学には1日しか行っていません。猛勉強の末、憧れの大学に合格し、楽しい大学生ライフを謳歌しようと考えていました。友達と遊びに行ったり、まだいない彼氏といちゃいちゃする想像をしていたそんなときです。居眠り運転のトラックが私に突っ込んできました。「あ、、、こりゃ死んだわ」が私の最後の言葉です。
そして現在、私はなんと雲の上で正座をさせられています。目の前にはうざったいくらい眩しく光る球体が浮いています。その球体は神と名乗り、ものすごい勢いで私に説教をしてくださっています。
『そんな歳で死ぬなんて何を考えているんですか!少子高齢化と嘆いているのに若者が死んではダメでしょう!まったく!、、、』
時計もないので実際のところはわかりませんが、私の感覚ですとかれこれ5時間ほどこのようなことを話し続けています。その間、大学生ライフ目前で死にショックを受けた私がまともに話を聞けるわけもなく、神様の問いかけに「はいはい」と相槌を打つので精一杯でした。すると突然、わたしが正座していた床が崩壊しはじめました。「あ、、、またか」これが由紀としての最後の記憶です。