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とっても雑なプロローグ

 よく事故死やふとした拍子の末に異世界転生だとか異世界転移だとか異世界召喚だとかを耳にするこの世の中。

 よく耳にする内容の中身の多くは、「元々は異世界とは関わりの無い日本人が異世界に連れていかれ、そこで色々な物語を繰り広げる」と言う物。


 だが、もし「既に異世界に連れていかれ、勇者となった者たちが別の異世界に勇者として召喚されたら」どうなるのだろうか。


 結果は簡単である。


「なあ、バグってね?」


 そう。バグるのである。


◇◇◇


 このお話の事の始まりは実にありきたりである。


 とあるファンタジックな異世界に魔王が現れ、勇者を召喚してその魔王を倒さなくては世界は滅ぶと言うもの。

 その国の魔導士たちは慌てて勇者召喚の儀を執り行った。

だが、少々焦りすぎたのか魔導士たちがアホだったのかはわからないが、ありきたりな「事故死した日本人が異世界召喚」または「ふとした拍子に異世界召喚」とはかけ離れた結果になったのである。


 召喚されたのは五人。

まずこの時点でおかしい。人数が多い。普通は一人だろう。多くても二人だろう。

 次に、その召喚された五人は既に勇者だった。

本当におかしい。王道テンプレとして、普通ならこれから勇者になっていく血と汗と涙とあと恋だの何だのが詰まった感動的なストーリーになるはずなのに。

 最後に。その五人は馬鹿みたいに強かった。

これで世界は平和になるね。ちゃんちゃんと終われるわけもなく。


 まあ、結果から言うに魔導士たち含めその国の王は大混乱したらしい。

召喚された五人よりも大混乱を起こしたらしい。多分この国の人たちはこれから勇者として育つ者のサポートをする気だったのだろう。


 だが自分達で招いたミスだ。神様はそう言って手を貸さなかったと言う。


◇◇◇


 召喚された五人は、一応既に勇者ではあったのだが、一般的に言う「勇者」とは違うものがほとんどだった。


 一人目の勇者はどこぞの異世界の国の王だった。その者の辿って来た道を簡潔にまとめると。

 ふとした拍子に異世界転移を食らった⇒モンスターしかいない世界に飛ばされた。ついでに自分もモンスターになってた。⇒戦う相手はモンスターでも人間でもなく、生き物の感情が具現化した謎の生命体だった。⇒とりあえず頑張って世界救ったよ。⇒帰る方法もわかんないしなんか異世界めっちゃ楽しいからそのまま異世界に住み着いたよ。⇒色々頑張ってたら一国の王になってたよ。⇒やっぱ国同士の戦争ってあるんだね。そこで戦死したよ。⇒気づいたらここにいた。

 まさかの故人であった。だが、不思議なことに本人は自分が生きていることに驚いていなかった。謎が多い人物である。


 二人目の勇者は勇者として最低の勇者だった。その者の辿って来た道を簡潔にまとめると。

 寝てたら異世界転移を食らった⇒不思議なことに異世界での自分と言うものが既にあって流れる様に勇者になった。⇒色々あってラスボスの方に寝返った、と言うわけではないが勇者と言う任務を放棄⇒罪人になっちゃったよ⇒色々あってどうにかこうにか世界救った。⇒歩いていたらここにいた。

 なんとも雑な生き方をしていた者であった。勇者が罪人とはどう言う事だろうか。


 三人目の勇者は裏世界の勇者だった。その者の辿って来た道を簡潔にまとめると。

 横断歩道で理不尽な事故死をしたら異世界転生しちゃったよ⇒その世界は異世界と言うより、今まで生きてきた世界が反転したような世界だったよ⇒とりあえずマフィアのボスになってみたよ⇒色々やってたら勇者って言われるようになった。⇒嫁さんとデート行こうと車に乗り込んだらいつの間にかここに召喚されてたよマジふざけんな。

 勇者と言っていいのか怪しい人物である。ちなみにこの勇者はマフィアのボスな為簡単に人を殺すのである。勇者と言うよりは魔王である。


 四人目の勇者は他の三人とは世界が違った。その者の辿って来た道を簡潔にまとめると。

 元々神様(前提がおかしい)⇒神様もやっぱり死んじゃうんだよね。死んだら異世界転生してた(おかしい)⇒転生先も神様だった(おかしい)⇒神様ばっかりいる世界、つまり天界にも地獄からの侵略者…魔王的なものが居たからそいつをワンパンしたら神様の中の勇者になったテヘペロ(おかしい)⇒海辺歩いてたらここにいた(おかしい)。

 ぶっ飛び野郎のご登場である。


 五人目の勇者は寝返りの勇者だった。その者の辿って来た道を簡潔にまとめると。

 学校帰りいきなり異世界転移食らった⇒いきなり呼び出した癖に対応が雑でさっさと魔王倒せと言われほっぽり出された⇒まじないわ⇒魔王に泣き付いて寝返ってやったぜ⇒人間滅ぼして立派な魔王陣営の勇者ですが何か。⇒スカッとした気分で寝ようとしてたらここにいた。

 一番やばいやつである。



 と言う様に恐ろしく濃くやばい連中が召喚されてしまったわけである。この異世界は大丈夫だろうか。

 この世界が亡ぶか、それとも平和を取り戻すかはわからないお話だがまあ何とかなるだろうと神様は考えるのをやめたそうな。…無理もないだろう。


 とにもかくにも、普通なら交わることのない世界同士が交わり、出会うはずの無い者たちが出会ってしまったお話の始まりである。

息抜きに書き出しました。

最初からクライマックス。勇者を召喚してしまった異世界に合掌。

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