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宇宙をかけた戦士の戦い  作者: イシハラブルー
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第八話 宇宙の片隅にて


 〈地球〉



 この日、星奈はデパートを訪れていた。理由はというと..


「アラ残念、ティッシュペーパーァァアア!!」


 そう福引である。ライトの服を買った時にもらった福引券が残っていたのでそれを使いに来たのであった。それにしてもこの親父さん随分と張りのある声をしている。


「はいっ次、お姉さんの番だッ」


 いよいよ星奈の番である、ちなみに残るは一等、三等、そして割引券だけである。


「よしっ 一等引いてアメリカだ!!」


 一等はアメリカ旅行であった。星奈は海外に行ったことがないので是非とも行ってみたいと思っていた、なのでガラガラを回す手にも力が入る。


 ーーカランッーー


「残念、ティッシュぅぅぅぅ!!」


「次々!!」


 次も同じ結果であった、そして三回目これが最後の一回だ...


 ーーガラガラガラッ カランッーー


 さっきとは違う、水色の玉が出てきた。そして、ついにベルは鳴らされた!!


「おめでとうぉぉぉぉおお!!!!」


「やったぁ!! ...よっしゃぁ!!」


 なんと星奈は見事に当たりを引き当てた!! このところ主に魔獣が原因で色々酷い目に遭っていたがようやくこれで苦労が報われる...はずだった。


「三等の〈旅館・西南〉、二泊三日ペア宿泊券!!!!」


「......あれっ?? 三等??」


 一応当たりは引いたが目当ての一等ではなかった、完全に一等だと思い込んでいた星奈は不意を突かれた。とはいえ


「まぁ当たっただけいいよね、よっしゃ」


 改めて星奈は喜び直した。三等でも当たりは当たりとても喜ばしい事である。ちなみにこの旅行でとんでもない事件が勃発(ぼっぱつ)するのだがそれはまた別のお話。


 一方その頃宇宙では....












 〈惑星ジュラ〉


 ーーバリバリバリバリバリィッーー


 今、この惑星では激しい攻防が繰り広げられている。


「ぐぅっ 何者だ!?」


「ん〜、私はねぇナノデ星人っつうんだけど知らないでしょぉ??」


 ナノデ星人と名乗るその女は間延びした声で質問に答えた。しかし、動きは声と真逆で長いオレンジ色の髪をなびかせながら、手に持つ電気を帯びる三又槍で猛攻を仕掛ける。


「くっ ここは一度退くか..」


 茶色い装束を着た方〈シノビ〉はまるで忍者のような華麗な身のこなしで猛攻をしのぎつつ、退却を図るが女はそれを許さず槍を振って三日月状の電撃を大量に飛ばす。


 ーーバヂィ バヂッ バヂヂヂヂィィィーー


 その攻撃によってあたり一帯で雷鳴が轟き行く手を阻む、簡単には逃げられない、そう判断しシノビは女と向かい合う。女の方はようやくやる気になったシノビに笑顔を浮かべる。


「よかったよかったやる気になって、そんじゃ私も本気だそっと」


 マントを脱ぎ捨てるとそこには黒いピッタリとしたスーツを着ていた。なにやらよく分からない小さい装置がいくつも付いている。


「さてと、とっとと死んでもらおうか」


 笑顔でとんでもないことを言う女である。一方、シノビに余裕はない、この女の不意打ちですでに片腕を負傷し、血を流している。


「そう簡単に行くと思うな、小娘」

 

 そう言って短剣を片手に迫るが攻撃は当たらない。リーチの長い槍に対して短剣は圧倒的に不利だ。


「無駄無駄ッ、剣じゃ槍には勝てないよっと」


 ーーバチバチズドッ...バリバリバリバリィッッーー


 電気を帯びた槍を地面に突き刺すとドーム状に電撃が広がった、その名も“エレクトリックドーム” だがこれは陽動であった。


 ーーバチィィィィンーー


「ぐおっっ...」 


 シノビはこの電撃のドームを跳躍する事で回避した。だが予想よりも規模が大きったため空中にいる隙を狙って槍の先端から放たれた電撃のビームを食らって地面に叩き落とされてしまった。


「まだまだ、こんなもんじゃないよぉ」 


 目にも見えないスピードで槍で突きまくる、がシノビはしっかりとこの攻撃を見切り、()を掴むとキックを決めようとしたが...


 ーーピシャァァァァンッッーー


「うおぉぉぉッ」


 スーツから放たれた電撃をモロに浴び、シノビはその場に崩れ落ちた。


「おいおい、女蹴っちゃダメでしょ まったく」


 そう言いながら槍を構え、シノビを串刺しにしようと突き刺した。が、すんでのところでシノビは隠し持っていたもう一つの短剣で受け止めると槍を引っ張って引き寄せ腹にキックをお見舞いする。


「これは殺し合いだ、手段は選ばん 勝てればいい」


 そう言うとシノビは一気に勝負を決めるべく女の周りで高速回転を始めた、その速さによって残像が残りまるで分身しているかのようだ。


「これでバラバラに裂かれろッ!!」


 高速回転しながら無数の小型のエネルギー刃を飛ばす、放たれた刃は岩をも裂きあたりには砂塵が巻き起こった。


「どうだ小娘、これが...」


 ーーザシュンッッ..ーー


「そうだねぇ、まぁまぁかな??」


 投擲(とうてき)された槍が腹に突き刺さり、シノビはそのまま後ろへ倒れた。抜こうとするが電撃で痺れて力が入らない。


「な.....ばか...な....」


「ごめんねぇ 私のスーツ、その程度の飛び道具は全部弾いちゃうんだ」


 そう言って女はそのスーツから電撃を放って実際にドーム型のバリアを張ってみせる。そしてそのまま槍を掴むと電撃を加える。


「ぐ...ウッ...バ....ァッ...」


「なに、魔人のくせにその程度なのぉ??」


 女は容赦なく電流を流し続け、シノビは苦しみ悶えながらついに生き絶えた。


「あらら、死んじゃった まぁ、殺してあげただけ有情だからね??」


 死んだシノビにそう語りかけると、電子メモを開きシノビのページにキルマークをつけた。そしてページをめくっていくと、あるページで止まる。


「さて、次はお前だ... 魔人シャドウ」















 〈惑星ゴッド・中央タワー〉



「何の用でお呼びでしょうか??」

 

 地球から遥か彼方にある惑星ゴッド、その中央タワーにある〈帝の間〉に向け、シャドウは首をあげながら語りかけた。


「シャドウ、キサマには惑星ベルゼに向かってもらう」


 威厳のある声がシャドウにそう命じる。


「アイツ、またサボったんですか??」


「そうだ..故にキサマに行ってもらう..よいな」


「もちろん構いません ですがひとつお願い事があるのです....アノウ様..」


 


 宇宙は今、波乱に満ちていた!!






*今回ライトは療養中につき出番なし

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