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あやめ(アヤメ)

お母さんに呼ばれた。私はブランコに置いてあった白い封筒を持ったままお母さんの元へ走った。お母さんの隣には見たことない男の人がいた。

「お母さん、これ拾ったの」

私はお母さんに白い封筒を見せた。すると男の人が

「ちょっと見せてくれる?」

と言った。私は頷いた。男の人は封筒を裏返して、隅に書かれた文字を見つめた。私にはなんと書かれているのかまだ読めなかった。

「ありがとう。これお兄さんが探していた手紙なんだ」

男の人は腰を屈めて、私の目線に顔を合わせてそう言った。

「じゃあ、お兄さんにあげる」

私がそう言うと、男の人はニコッと笑った。

「あやめ、人のものを勝手にとってはいけないのよ」

お母さんがそう言うと、男の人は

「いえ、僕が失くしてしまっただけですから。あやめちゃんに感謝してます」

と言ったのが聞こえた。私はそれよりもシーソーに乗りたかった。

「お母さん、シーソーに一緒に乗ってよ」

お母さんのスカートを引っ張る。

「しょうがないわね」

とお母さんは言って男の人にじゃあ、と頭を下げた。私も男の人にまたねと言った。

「うん、バイバイ」

笑顔で男の人が手を振った。私は一目散にシーソーに向かって走り出した。

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