彩香(アヤカ)
今日はよく晴れている。下校途中にある公園を見て、私は隣を歩く彼氏の修二に話しかける。
「ちょっと遊んで行こうよ」
「公園?なんだよ急に」
「いいじゃん」
私は修二の手を引き公園内に入る。ジャングルジム、ブランコ、シーソー、鉄棒。定番の遊具があった。
「ジャングルジムとか!いつぶり!」
ジャングルジムに足をかけ、上を目指して登り始めた。
「彩香!スカートの中見えてんぞ」
修二が下から叫ぶ。構わない。この公園には彼と、あと数人しかいない。
「平気!ねぇ、修二も来なよ」
「仕方ねぇな」
修二とジャングルジムを登る途中で写真を撮った。カラフルなジャングルジムと青い空がきれいだった。
「うん!いい感じ」
私は修二をおいてまた上を目指す。
「待てよ」
二人でジャングルジムの頂上に座った。公園の砂場の真ん中で何かが煌めいた。
「ん?なんか光った」
私は修二に言う。
「え?何も気づかなかったけど」
修二はキョロキョロ見渡すが、何も見えなかったようだ。
「ちょっと見てくるね」
ジャングルジムから飛び降りて、砂場を眺めていると、視界に人影が降りてきた。ふと顔をあげると綺麗な顔立ちの男性がいた。
「この公園で、指輪を探してるんです」
男性が私に向かって言った。
「さっきジャングルジムから光るものを見つけて。もしかしたらこの辺りにあるかも」
私が言うと、彼はニコッと笑って
「そうですか」
と言い、砂に手を入れた。
「おーい、彩香、帰ろうぜ」
修二の声がする。私は男性と目を合わせると男性は
「大丈夫。探してみるよ」
と言った。私は軽く会釈して、修二の元へ走った。