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《章間 ~猫娘の述懐~》

 凄い。

 成長期の少年が、目の前の偉丈夫に持たせた薪を次々に砕いたとき、イルミナの心には不思議な歓喜が生まれた。

(これだ!)

 これと同じ方法ならば、或いはあの『遺跡守り』を倒せるかも知れない。

 特に最後の、薪が粉々に砕けたあの技。

 アレこそが、自分と仲間たちの長きに渡る苦難を切り開く鍵になる。

 それを確信した。

 偉丈夫の足元に転がる薪を確認すると、イルミナは少年たちの姿を探す。


 ――――居ない。


 そういえば、『フリーロール』のジェイクと何やら会話をして、その後急に何処かへ行ってしまった。

(追いかけなきゃ……)

 あの少年は、最近何かと噂になっている『戦争難民』の集まった過激派組織を潰したというパーティのアタッカーだった筈だ。

 『フリーロール』の手が空いていないと分かった今、彼、或るいは彼らこそが、イルミナの救世主になる可能性を、信じずにはいられなかった。



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