05夢幻『コント』
コントとは、『調停して、均等に保たれた常識を突如崩して、何かを与える』というものである。
「そうだな。」
例えばバスケ部、という部活がある。
これは、みんな、バスケ部だと思っている。そういった常識が生まれている。
そこに『バスケベ』という馬鹿にした存在をぶち込むと、『何かが起きる』、もちろん常識を揺るがす。
さらに発言力、つまり権力、学園内カースト上位者が『バスケベ』を放つと、『常識が変わる』。
そんな僕は、力場、力の生まれる根源を形成し皆に分け与えていた、力の上昇空間という常識を作った。
この力場は、漫才化の『欠片ほどの力』しか使わないため、全く苦労はしなかった。
「皆、湧き上がる力を前に何を思ったのかな」
暴走しようとする、盾とケルベロス。
しかし同時に漫才化の欠片ほどの力をもう一回ぶつけることで、簡単に力場を壊すことができるという事実があった。
だがしかし、そこには大きすぎる誤算があった。予定では僕以外の全員が常識が変わったことにより死ぬはずだった。
『常識を変えるのは、カースト上位者である』。忘れてはならない。
この時、判定は、『俺が死ぬか』『お前たちが死ぬか』、そうだったはずだ。カースト上位者が生き残るはずだった。
「急激な力の変化ね・・・」
人間の力が100あるとして、ソレがいきなり0になったらどうなるだろうか。
僕は、力を200から100にしたつもりだった。しかし、どうやら違ったみたいだ。
この時、もっと複雑なことが起きていたようだ。
「さて、こんなものか」
僕は、そろそろ感じ取らねばいけないのかもしれない。
刻まれたもの、即ち
「バナナは、サイコロにならない。」