表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

サマ化け

作者: 瀬川潮

「時代は、変わったもんだなぁ」

 定年間近の男はしみじみ言ってカードを見た。

「昔は、『切符を拝見します』って車掌が回ったもんだが」

 通勤列車に乗って、もうすぐお別れかもしれない喧騒にもまれながら思う。

 いつもの駅のはさみの切り込みの形はもう、思い出せない。

 十枚綴りの回数券。一番上の大きな部分がサービスの十一枚目の回数券だと気付かず捨てたのはいい思い出だ。

 すうっ、と列車が走り出した。

 揺れも、もしかしたら変わったかもしれない。

 車内吊りの広告もいつの間にかなくなり液晶パネルだ。

 すっかり世の中様変わりしてしまった。

 いや、もう様変わりと言っても若者には通用すまい。

 改めて、見回す。

 周りの若者たちの肌は紫外線の影響を受けにくい黒色となり若干硬質化し、表面が傷付かないよう油を分泌している。触覚も頭頂部から二本、延びている。羽もある。少しなら飛べるらしい。とんだ話だ。

 半面、年配者はもう世の中の様変わりに対応できず昔の柔らかい肌のままだ。

「まあ、いい」

 人類は、これで長く長く存続できるのだろうから。



   おしまい

ふらっと、瀬川です。


ありがちなオチに走ってますが、まあそれまでが変っているということで。

他サイトに発表したことのある旧作品です。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ