表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いレン  作者: 雪零
プロローグ
1/7

世界最強の魔道士

ご観覧いただき、ありがとうございます。

初投稿なので、至らない点があると思いますがご容赦ください。

昔々、1人の魔道士がいた。




「なに、まだ大丈夫さ。」




その魔道士は、仲間たちと共に数々の伝説を残してきた。




「心配してくれて、ありがとう。」




だが、その屈強な魔道士にも抗えないものがあった。




「まさか病気で死ぬことになろうとは。人生とはわからんものだな。」




その魔道士は永遠を得たはずだった。決して衰えない肉体、世界最強と言える力、一国に匹敵する財産。

魔道士はおおよそ人間の得ることのできる全てを手にしたはずだった。もうなにも恐れるものなどないと。


だが病気には抗えなかった。寿命を超越し、力を手にし、有り余る財産があろうと。

死には抗えなかった。不死にはなれなかったのだ。




「だが、せめて戦って死にたかったものだ。みんなに囲まれて死ぬのも悪くはないのだがな。」




不満を漏らしつつも、その姿は段々と生気を失っていく。




「みんな、ありがとう。でも、そろそろお迎えみたいだ。」




そう言って魔道士は、その長い生涯を終えた。













「なーんてな!」




・・・はずだったのだが。



「みんな私を甘く見過ぎてないか?死には抗えなかったが、だからって私がタダで死ぬわけがないだろうに。」


そう。確かに彼女は死んだ。だがタダでは死ななかったのだ。


「きちんと成功してよかったよ。こればっかりは、ぶっつけ本番の魔術だからな。」


死ぬことに抗えないのならば、死後のことを考えればいい。


「これが幽霊という状況か。まさか自分がなれるとは。なかなか感慨深いな。」


息を引き取る前、彼女は死後幽霊になる術式を体に仕込んで死んだのである。

だが、前述の通り魔術が存在するこの世界において、幽霊など対して珍しくもない。

聖に相性の良い者ならば、感知だけなら容易いだろう。

生物ならば、死後大抵は幽霊となる。死亡時の意思の強さに応じて、その存在は強固な物となる。ましてや彼女のことだ。確実に幽霊や、それに準じたなにかにはなったはずだ。


ではなぜ彼女は術式を体に仕込んだのか。


答えは単純だ。

彼女が生前口にした通りである。

つまり。



「これで私は戦って死ねる!!!」



と、いうことなのである。

つまり、彼女が仕込んだ術式というのは、自分を幽霊にする術式ではなく。


自分が幽霊になっても生前のように戦える様にする術式だったのである。


「だが、この世界に私を撃ち倒せる者など、存在するのか?」


そう。生前既に世界最強だった彼女を撃ち倒せる猛者など、この世界には存在しないのだ。


「それに、幽霊となった以上、感知できない者とは戦えない。となると、どうしたものか。この世界にいない、というのなら、別の世界にでも行ってみるかな?」


幸い、幽霊となり、なおかつ生前と同じ力を宿す彼女には世界を隔てる次元の壁など、有って無いようなものだった。



「よし、ではまず手始めに、あの世界から行くか!」



そうして彼女、世界最強の魔道士リーナ・ラミアス・クロイツは、自分を撃ち倒す者を探すため、世界を渡る旅に出た。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ