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偽典Ⅱ  作者: 萩井灰介
9/28

九話:リアルPK

side:イズミ


「・・起きろイズミ!さすがに寝すぎだぞ!」


声がした方に薄目を開けて見てみると金髪の女性・・アマリアがいた


(むぅ・・うるさいなぁ・・もうちょっと寝たい・・沈んどこう・・)


ズブズブと音を立ててイズミが影の闇に逃げ込むと上から慌てた声が聞こえてきた


「イ、イズミ!?大丈夫なのか!?・・いや、そういえばこれは元々イズミから作られたのだな・・だとすれば逃げたか?・・早く出てこないと本気で怒るぞ?」


イズミは怒られるのは嫌だと思い眠い目を擦りながら嫌々ながらも地上に上半身だけ出して答えた


「ぇー、もうちょっと寝ていたい・・ってあれ?夕方なの?あららー・・まだ寝ていたい・・」


「イズミって凄く寝る子なのね・・まぁ、寝る子は育つって聞いた事があるわ・・その胸も寝てるからかしら?」


シャムがジーとイズミの胸を見つめていたがイズミも視線には気がついていたが面倒な事になりそうだと思って無視しつつ辺りを見渡してみると夕方になっていた


「そうだな・・今日はもう遅いから町ではなく近くの村で休むか・・アルクさんに怒られそうだがな・・確か西に川が流れてる場所にあったはずだ」


「そうね、町まで戻るのも良いけど・・夜になるだろうし村でもギルドがあったはず・・何て名前の村だったか忘れたわ」





一行はアマリアの案内で西の方角へ少し歩くと川が見えて周りを木の柵で囲まれた村があった


「おー、ここが村なんだねー・・何だか町と比べてのんびりしてるなぁ~こっちの方が好きになれそうだなー」


イズミ達が回りこんで門の方に向かおうとすると・・怒声と悲鳴が聞こえ門からは煙が出ていた


「な、何!?・・まさか賊か!・・こんな所まで来るとは・・!」


「あれ?もしかして助けるの?えー、めんどくさいなぁ・・・」


「・・イズミ、すまないが・・私の頼みとして聞いてくれないか?・・私としても助けられるのであれば助けたいのだ・・」


「むぅ、いいよーアマリアの好きにすれば~僕もついていくけど」


「・・イズミって良い子なのかどうか分からないわね・・まぁ、それでもイズミなんだしね・・それよりアマリア・・早く行くわよ?手遅れになって後悔したくないでしょ?」


シャムが話しかける前に剣を抜いた状態で走り去るアマリアを見てシャムも慌てて自分の双剣を抜くと追いかけていく・・イズミは(おぉー!賊さんがいるんだな~・・どんなのだろう?)と、のんびりしながらも小走りに追いかけた


「おぃ!絶対に門に入れるなよ!?入れたらどうなるか分かっているな!」


「ぐ・・!分かってるよ!だけど・・数が多すぎる!どこが少人数なんだよ!くそっ!」


3人が門に近づくと4人の男が門の前で戦っているのが見えた・・イズミは賊の人数を数えると16人いることが分かった(この間0、1秒)・・・その周りには賊と思わしき死体が数人倒れていたので悲鳴はこの者達があげたものだろうとイズミは考えた


「人を殺すと嫌な気分になるのだが・・容赦はせんぞ!『がぁぁ!?』」


「あら?そんな甘いことを言ってると死ぬわよ?『ごふっ・・』」


アマリアとシャムは賊の後方にいて弓を放っていた2人に斬りかかり2人を骸に変えた


「な、なんだてめぇらは!?・・良く見たら上玉じゃねぇか・・てめぇら!あの女も逃がすな!6人向こうへいって捕らえてこい!」


山賊の頭と見られる大男は驚いた顔をしていたが3人の姿を見るとニタリと笑って手下を向かわせた


「・・おぉ?アマリアーあの人達から害意と殺意を感じるから殺すつもりできてるよー?死なないでねー死んだら食べるからー」


「な、何をだ!?食用的な意味でか!?・・それも悪くないかもしれん《風の精霊よ!我が前の敵を切り裂く風の刃となれ!》・・ふむ、4人倒したが・・シャム後は任せたぞ?」


アマリアがイズミの言葉に反応する・・イズミはそのつもりはないと冗談として言ったようだ・・アマリアが考える仕草をすると目の前に迫る賊に緑の髪の女性・・ウィルが現れ突風が吹いた・・その後は胴体を真っ二つにされた者、首を切り落とされた者の死体だけが残った


「ふん!誰に言ってるの?人間程度に遅れをとるはずがない!・エルフには負けたけど『うぐっ!?』」


目の前に襲い掛かってきた2人の賊を両手の双剣で片手づつ振り落として絶命させた


「な、エルフだと!?・・くそっ!一旦退くぞてめぇら!」


賊の頭は自分は火の詠唱魔法を使えるが呪文を唱えている間に先に魔法を使われて死ぬだろうと考えると退却の指示を出して門を守る4人と新たに現れた3人とは別の方向へ逃げ出した・・が逃げ出した方向に突然現れた赤い眼に黒い髪・・イズミがニヤリと笑いがなら立っていた


(あららー?ここで逃がしたら報復だー!とか言ってきそうだしなーめんどくさいから・・誰も逃がさないでおこうかなーさて、ニンゲンを殺したい程に憎んだ時もあったけど・・殺したらどうなるかな?)


「て、てめぇ!ガキが邪魔だ!死ねやぁぁ・・あれ?どこに消えげぶあっ!?」


先頭を走っていた男が剣をイズミに向けて振り落とすが霧のように消えた・・辺りを見渡そうとするが横腹に強い衝撃を感じた瞬間に男は意識を失った


「うん、半分ちょっとの力で人は死ぬと・・骨が砕ける感触と内臓が破裂した感触かな?・・まー、生きてたらもうちょっと力強めようかなー」


(うん、人を殺したら罪悪感があるって聞くけど・・何も感じないや・・まぁ人殺しを楽しむというのも微妙なのかなー?・・でも山賊?さんからの殺意と敵意は・・楽しいなぁ~・・気分が良くなるね~)


イズミが男を殴った手の感触を確かめていると大男が叫んだ


「て、てめぇ!ガキのくせによくも俺の部下を!《我、炎を操りし者、ここに敵を射抜く炎の槍を『ぁ、ごめん詠唱魔法の途中だった?・・あららー見たかったんだけどなー』・・」


大男・・・賊の頭が詠唱魔法を放とうとしたが途中でイズミが頭の両肩に足を乗せて頭と顎に手を置くとクルリと回した・・賊の顔はあらぬ方向に向いて悲鳴をあげる事もなく絶命した


「ひ、・・か、頭がやられた!?・・俺はもう嫌だ!逃げさせて『逃げちゃだめだよ~捕まるか・・死ぬか・・どっちがいい?』ひ、ひぃぃぃ!?何でこっちにいるんだ!?うそだろ!」


賊の一人が武器を捨てて逆の方向に逃げようとしたが目の前にイズミが現れると完全に腰を抜かしたようで地面に座り込んだ・・それを見て門を守っていた4人の男達の中から1人が出てきて声を上げた


「・・全くすごいな・・動きが見えなかった・・よし!お前ら!武器を捨てるなら命は助けてやろう!だが武器を捨てずに戦うのであれば死を覚悟しろ!さぁどうする!?」


声を上げた男・・緑の髪が印象に残るその男性の言葉に残りの賊達は次々と武器を捨てて座りこむ・・・それを見ての門の前にいた残りの3人は縄を持って賊達を拘束しに向かった


「ふぅ、助かった・・ここには少人数の山賊討伐の依頼を受けてきたんだが・・・まぁそれはいいか俺は傭兵ギルドに所属しているジルって名前だ、まぁいきなり襲ってきたんでな・・準備さえしてれば大丈夫だったんだが・・って嘘じゃないぞ?そこの美少女」


緑の髪の男性・・ジルが強がりなのか薄い笑みを浮かべながら言い訳をしているとイズミがニヤニヤとしていたのでおどけながらも話した・・が、美少女と聞いた瞬間にイズミがビシリと人形のように固まった


「・・ねぇ、アマリアあの人って山賊の仲間だと思うんだーだから殴っていい?『ま、待て!殴るのだけは止めてくれ!シャレにならん!』・・残念・・次からは言葉に気おつけてねー」


イズミがジルに対して指を向けながらアマリアに同意を求めるがその前にジルが必死の形相で止めに入った・・山賊が横腹を殴られて吹き飛ぶ姿を見て同じ目にあいたくないと思ったらしい・・アマリアは苦笑いを浮かべていた


「ふぅ・・とりあえず村に入らないか?今の状況を説明して村人を安心させたいしな・・それに本当のことだぜ?まぁ、照れるのはいいけど可愛いのは本当のこ『ふん!・・あれ?外した?よし次』ごめん!悪かった!謝罪する!だから止めてくれ!」


ジルがおどけて言うと、イズミが手加減はしているが骨の1~2本は折れるぐらいの威力で殴りかかると必死で横に逃げると土下座せんとばかりに必死に謝るのを見てイズミも渋々やめた所でアマリアが口を開いた


「ふむ、自己紹介がまだだったな・・冒険者ギルド所属のAランクのアマリアだ・・よろしく頼む、ほらイズミも拗ねてないで自分の名前を言うんだぞ?」


「むぅ、子ども扱いされてるのは何故なんだろ・・ギルドランクFのイズミだよー・・傭兵ギルドって何だろ?」


「ふん!私は冒険者ギルド所属のBランク・・シャムだ!覚えなくて構わん!」


「お、そうかよろしくな・・傭兵ギルドってのは冒険者ギルドの魔物や採取や人の頼みの依頼とは違って対人関係の依頼が多いのが特徴だな・・ま、この山賊退治みたいなもんだ・・傭兵ギルドの奴らになるのは人を殺すのが好きな奴や犯罪者が多いって噂もあるが・・まぁ、実際は少人数なんだぜ?俺らの場合は早く金になるし人を守る為でもあるしな・・冒険者ギルドとは獲物が違うが中身はけっこう似てるんだぜ?まー、他には国の戦争に兵士として雇われたり、人に私兵として雇われたりと色々だな」


ジルが一通りイズミに説明すると手を招くので村の中へと入っていった


「ほへー・・傭兵ギルドかぁ~色々とあるんだねーっと・・あの人は誰なの?・・村長っぽいけど」


イズミが村の中に入りキョロキョロと見渡していると一人の白髪のお爺さんが目の前まで歩いてきた


「おぉ!爺さん、とりあえず門の前にいた奴らの問題は解決したぜ?・・ついては馬車を用意して欲しいんだが・・いや、賊を数人ほど捕らえたんで町まで護送するのに必要なんだが・・どうだろう?」


「いやいや、それくらいで済むのであれば安心ですじゃ・・いや、本当にありがたい・・」


「あー、いや・・それ何だがな?ほとんど退治したのがそこにいる3人なんだよ・・感謝なら向こうに言ってくれ俺達は防衛ばかりしてたからな・・ああ、この人は村の村長のカルマ爺さんだ」


お爺さん、村長は涙を流しながらお礼を言うとジルは気まずそうに3人の方に指を向けながら話すと村長は少し驚いた顔をするとイズミに問いかけた


「いや、それでもあなた達が村を守ってくれた事には変わりないのでな・・ありがとう・・それと一つ気になるのじゃが・・そこの少女はもしかして・・勇者様では?」


「あっはっは!爺さんそりゃ俺もそう思ったけどよぉ勇者様は黒目黒髪だぜ?こいつの目は赤いだろ?それに召喚の時期は2週間先だぜ?・・もしかして本物じゃないよな?」


長老がおずおずと聞くとジルが笑いながら話すが気になっているのかイズミの方を向いて話す


「え?いやいやー違うよー?僕は勇者じゃないよ~」


(黒目黒髪?・・もしかして日本人?・・・いや、そんなはずないよね~日本から異世界に勇者になって召喚されるって小説かファンタジーの世界でないと・・あれ?ここファンタジーじゃない?)


イズミが違うと言うとホッとしたジルと長老を尻目にイズミは考え込んでいるとシャムが口を開く


「ふん!まぁいいだろう・・それより村長・・ここに冒険者ギルドはあるのか?無いのならば宿を案内してもらえると助かるのだが・・」


「あれ?シャム口調変わってない?ほ~らリラックスリラックス~『うにゃ!?・・あふ・・もっと撫でて・・』あれ?・・もしかしてやりすぎた?・・うーむ、従順な猫だなぁ・・ほ~れほれ」


イズミがシャムの口調が初対面の相手だからと思い背中から抱きついて頭や顎を撫でているとへなへなと腰を抜かしてイズミに甘えだしたのを見て少し考えたイズミだが撫で心地がいいので撫で続ける事にした


「そうですな・・冒険者ギルドはありますし宿もあります・・今夜はこちらでご馳走させて欲しいのじゃが・・こちらとしても命の恩人であるあなた達には恩返ししたいのでのぅ」


「む、すまないなご老人・・ありがたく頂戴致します・・ほら、イズミも撫でてないで起きなさい・・ついでのシャムはそこで寝てればいい『私の対応がひどくないか!?』ふん!猫のフリをしおってからに!貴様は獣人であろうが!そのような猫のように撫で回されて・・恥ずかしくないのか?」


長老が撫でられて気持ち良さそうにしているシャムを微笑ましそうに見ながら話すとアマリアが快く承諾してイズミを起こすと向かわせると自分もシャムと睨み合いながら向かった




side:???


4人と後から合流した傭兵ギルドのジルの仲間も集まって村の集会所のような場所で宴会が開かれた


「おぉ!こんな美女達がこの村を救ってくださるなんて!今日は何て良い日だ!」


「ちょっと待て!俺達も必死で村を守ったんだぞ!?少しは感謝ぐらいしたらどうだ!」


「あぁん?むさい男は帰れ!俺はムキムキの男よりも可愛い美女に守られたと思いたいんだよ!」


自分の感情に素直な男・・この村の鍛冶屋の親父らしい・・が言った言葉にジルが反応して取っ組み合いの喧嘩になってしまった・・お互い笑いあいながら殴っているので本気の喧嘩ではないようだ


「鍛冶屋のおじちゃんがんばれー!傭兵のおじちゃんもがんばれー!『俺はお兄さん!ぐは!?』あららー傭兵のおじちゃんが負けそうだなー」


子供の応援にジルが反応して声を上げるが隙ありとばかりに鍛冶屋の親父の拳が綺麗に決まった・・・・周りの傭兵ギルドに所属している傭兵達も「もっとやれ!」と煽っていたりした


その村人の元気さはイズミ達3人にも及んでいた


「よぉ!猫人の姉ちゃんも飲んでねぇのかい?もっとパーとやろうぜ?」


「・・お前は何故この村にいるんだ?獣人なら迫害にあうかと思うんだが・・」


「ん?あぁ、この村は誰でも受け入れるってのを信条としているらしいぜ?まー、村の中では住みやすい所なのは間違いないな・・俺は門の奥の家で予備隊として待機してたんだが・・出番がなくて良かったぜ」


シャムに話しかけた獣人・・青の毛並みを持つ犬人は笑顔で村の事を話して自分が戦わなくて済んだ事を言うとシャムが呆れたように口を開いた


「情けない・・獣人なら武器を持てば数人は相手できるだろう?まぁ、詠唱魔法を使う奴がいたが・・・それでも前線で戦おうとは思わなかったのか?」


「あぁ、俺も前で戦おうと思ったんだが・・傭兵ギルドの連中が自分達の方が慣れているしいざとなれば逃げるっていうから後ろで待ってたんだよ・・それに俺は死を恐れてる訳でもない・・もしもだ・・何人か突破して奥へ逃げたら残ってるのは戦えない女子供や老人だけだ・・後は分かるな?」


「・・ごめん・・ちょっと考えが足りなかったわ・・あら?私・・普通の口調で話せてるわね・・何でかしら?」


犬人が拳を握り締めて少し震えながら話す姿に素直に謝罪するシャムは自分の口調が他人を遠ざけるような口調でない事に気がついた


「お?それが素の口調ってか?いいじゃねえか細かい事は!今は飲んで楽しもうぜ?誰も死ななかった、一番いい結果じゃねぇか!・・あ、そういえば名前言ってねえな・・俺はエルゥってんだよろしくな!」


「・・そうね・・誰も犠牲にならなかった・・それが一番ね・・私はシャムよ・・いいわ今日はとことん飲むわよ!」


2人の獣人が意気投合して飲んでいるとアマリアも同様に絡まれていた


「おぉ!エルフとは珍しい!俺はここの村で商店を出しているんだが・・エルフの秘薬の作り方を教えてくれないかぃ?」


「いや、それはエルフの秘密の一つですので・・申し訳ないが教える事はできないのだ・・すまない」


アマリアが顔を歪めて謝るが商人の男は諦めきれないらしく


「いや!そこを何とか!『駄目です』・・そこを何とか!『いや、だから・・』この通り!お願いしますよ!『・・あーですから』ほんと!お願いしま『しつこいぞ!』あああああ!?」


男がしつこく頼むがとうとうアマリアの堪忍袋の緒が切れたのか商人を背負い投げの要領で投げ飛ばすと男は壁に激突して気絶した・・アマリアは何事もなかったように料理や酒を味わっていると周りで普通に一緒に酒を飲もうとしていた男達は震え上がって様子を見る事しかできなかった・・そしてイズミもまた絡まれていたり・・




side:イズミ


(もぐもぐ・・うん、これもおいしい・・何の肉だろう?・・うん、これも薄味だけどおいしい)


黙々と食べ続けるイズミ・・目の前にあった焼いた肉と野菜のスープを啜ったりして料理を堪能していた本当は現実から目を背ける為であったり


「うわー!黒髪だー!珍しいなー・・だけど本当に姉ちゃんが山賊の頭を倒したのかよー?俺とあんまり背が変わらないのになー」


「こら!失礼でしょうが!うわー・・サラサラしてて気持ちいいし・・良い匂いがするなー・・ねぇ!私もお姉ちゃんみたいに綺麗になるにはどうしたらいいの!?」


「ほっほっほ・・あんまり困らせたら駄目じゃぞ?すみませぬなイズミ様・・子供に懐かれやすいようですな」


イズミの周りには珍しい長い黒髪で遊んでいたり周りでは微笑ましい光景に顔を緩める村長と老人達がいた・・アマリアは甲冑を着ていて近寄りがたい空気を出しているしシャムも口調で気難しいと判断されたらしく必然的に服一枚で自分達と同じ背に近いのもあり集まっていた


(ぐっ!・・耐えろ、耐えるんだ僕・・子供の言う事なんだ、悪気が無いのが目を見れば分かるから余計に傷つくんだけど・・それに村長さんも謝るなら助けてよ!?)


「ねーねー!教えてよー!どうやって山賊の頭を倒したのさー!?ねー教えてってばー!」


「わー顔に巻きつけると気持ちいいなぁ~ね~どうやったらこんなに綺麗な髪になるのー?教えて~」


「ほほほ・・これこれ止めなさい小さな勇者様が困っていますよ?」


イズミの腕をグイグイと引っ張って強請る男の子・・名前はアンクだそうだ・・イズミの長い髪を顔に巻いて遊んでいるのが妹のアンナだという、お婆さんは名前を聞いていないが孫を相手にするようにイズミを慈愛の目で見ていた


(うぐぐ・・!料理が食べれない!お婆さん!?小さいって言うのは止めてください!気にしてるのに~ふぅ、仕方がない・・少し相手にすれば収まるよね?)


「うん、山賊の頭は殴った・・綺麗な髪にするにはお手入れすればいい?はずだよ・・・それじゃあ僕は料理を食べたいから離して・・」


「ぇー!嘘だー!殴って倒すなんて筋肉も無さそうだし本当なら証明してよー!」


「ねーねーお手入れって特別な事でもするのー?それなら教えてほしいよ~」


「ほっほっほ『ふふふ』」


(・・ふ、子供なんだ・・そう、子供相手に怒るなんて事はしないさ・・それに村長とお婆さんが微笑ましそうに笑う事しかしなくなったよ・・子供相手に怒っちゃだめだ、怒っちゃだ『ふはは!どうした傭兵のくせに鍛冶屋に負けるとは情けないな!』・・・ん?そうか・・コドモに怒っちゃ駄目ナンダネ?」


目の前を見ると自分で鍛冶屋と言った男性・・それと緑の髪が印象に残るジルが殴り合っていた


「けっ!まだ終わっちゃいねぇよ!くらえ!!俺の黄金の右『おっと!俺に手を出すとうっかりお前達のナイフが中途半端に研ぎ終わった奴を渡すかもしれんなぁ!』ひ、卑怯だぞ!?俺達は命を賭けて守ったんだぞ!?少しは感謝しやがれ!」


グヘヘとまるで悪役のように笑う鍛冶屋の親父に対して、ナイフなどを研いでもらおうと渡した事を思い出して殴るのを思いとどまったジル・・それを見てイズミがニコニコと子供達・・アンクとアンナに話しかける


「よーし、僕がどうやって山賊を倒したのかと・・そ、そう髪が綺麗な理由を教えてあげるよ・・うん」


イズミが何かを諦めたかのような表情を出しながら話すとアンクとアンナは目を輝かせながら話した


「え!?本当!どうやって見せてくれるの!?魔法とか!?」


「わーい!私も綺麗になれるんだー!あれ?でも難しいのだったらできないや・・でもどうやるの!?」


「そう、それはね・・・あれを使うんだ・・あははー!」


イズミが指を向けた方向に2人が振り向くと喧嘩をしているジルと鍛冶屋の親父がいた・・イズミは最後には笑み・・凄く黒い笑みを浮かべていた


「て、てめぇ!金は払うんだぞ!客としてだ!鍛冶屋としての誇りは無いのか!?それに男としても方法が情けないぞ!『ふん、過程や方法など・・この親父には関係がないのだぁぐべらああ!?』・・え?」


ジルが吼えるが鍛冶屋の親父は関係が無いとばかりに笑いながら殴りかかろうとする・・がジルの視界から消えたと思ったら断末魔が聞こえた方を向くと壁に大の字で張り付いている親父がいたがズルズルと下へ落ちた


「な、何が起きたん『やー、騒がしいのは良いけど限度を超えると駄目だよねー?後は・・ジルだけだね?』イ、イズミ!待て!俺はもう大人しくするから!それにあいつが『問答無用!僕の事を美少女と言った事と子供達の夢に敗れろ!』あれは謝っただろうが!?それに子供の夢と俺を殴ることとどういう関係があるん『ごめん、殴るんじゃないんだ・・ほ~れほれ』あばばばばばば!?・・ぐぼぁ!?」


ジルが唖然としていると凄く良い笑顔を浮かべたイズミがいた・・見る者がいれば見惚れるだろうが・・纏う雰囲気が禍々しくてとてもじゃないが見とれている余裕は出来なかった・・ジルが助命の嘆願するとばかりに必死に説得しようとするが・・イズミに両足を捕まれてブンブンと振り回されて最後には壁に投げ飛ばされて鍛冶屋の親父と同じ末路となった・・俗に言うジャイアントスイングである


「くっ・・まだ足りないなぁ・・あなた達も・・暴れてない?ねぇ、アバレテナイ?」


イズミが再度もの凄い笑みを浮かべて期待をするように傭兵ギルドの3人に聞くが


「わ、私は何もしていない!神でも悪魔にでも誓おう!あ、ジルが全部暴れてました」


傭兵Aは言う


「そ、そうです!僕も何もしてません!ジルさんが暴れまわってましたよイズミ様!」


傭兵Bは言う


「お、おいらも何もしてないっス!あ、でもジルさんはイズミ様の事を可愛いって言ってましたよ?だから許してひっ!?」


傭兵Cは言う・・ことを最後まで言えなかった


「そぅ・・あ、そこのお水貸してねー?・・ほーらジル~?大丈夫かなー?起きた方がいいよー?『う、うーん・・あれ?どうなってそういえばイズミに・・うおっ!?』・・よし、もう一度だ・・ねぇ暴れてたのはジルだけだよねー?」


傭兵Aがジルに責任を押し付けようと考えると傭兵Bも口を合わせて傭兵Cはジルを助けようとしたらしいが逆効果になってしまったらしく旋律する笑みを見せられた為に言葉を途中で終わらせてしまった・・その言葉を聞いたイズミは近くに注がれた器に入れられた水をジルの顔にかけるとジルは目を覚ますが、目の前に恐ろしい笑顔を浮かべたイズミを見て驚愕の悲鳴をあげた


「「「そうです『っす』!そいつが暴れてました『っす』!」」」


傭兵A・B・Cが声を揃えてジルを指差しながら叫んでいた


「お、お前ら!?お前らも煽ってたじゃねぇか!俺を裏切るつもりか!?イ、イズミあいつらもお『さて人体の不思議~♪人ってこんなに柔らかいの!?・・が始まりま~す♪』ぎゃぁぁ!?腕はそんな方向に曲がらなああああああ!?」


・・・数分後・・妙に艶々としたイズミと凶暴な獣に襲われたかのように傷だらけになり意識を失った男が一人そこにいたようだ・・・目覚めた男は「俺・・もう幼女と・・少女が怖い・・戦いたくない・・」と、漏らしていたそうな





「さー、山賊を倒した方法と髪が綺麗な髪の理由は強いからだよー?分かったー?じゃぁ僕はもうゆっくり食べるよー」


「すげー!?姉ちゃん本当だったんだなー!ねぇねぇ!どうやったら強くなれるの!?教えてよー!」


「わー!すごーい!お姉ちゃん強いから綺麗なんだねー!私も綺麗になりたいから強くなる方法教えてー!」


再度の質問にイズミは達観したような笑みを浮かべていた


(ふ・・子供ってどうしてこう元気なんだろ・・だけど可愛いな・・うん、守りたくなる・・よ・・う・な・・何?僕は今何を考えた?この感情は・・あた・・たかい?・・分からない・・これは何だろう?)


イズミがふと考えた・・前までのイズミなら考えなかった事と胸に広がる温もりを感じて・・恐怖を覚えた


(・・こわ・・い・・何・・これは?・・前までのボクなら感じなかった・・今の僕がボクでなくなっているから?・・それにしても急すぎる・・!僕のこの感情は何・・?分からない・・ワカラナイ)


「・・!・・ちゃん!姉ちゃん!大丈夫?」


「っ!・・あ、あぁ・・うん、僕は大丈夫だよ・・ちょっと考えてただけ・・」


アンクの呼び声に気がつかない程に考えこんでいたイズミは少し顔色が悪い状態で話しかけた


「あぅ・・お姉ちゃん・・はい、これ・・お父さんが飲むと元気になるものだって言ってたの」


「うん?ありがとう・・桃色のジュースっぽいけど・・うん、サッパリしてておいしいなー体も温まってきたし」


イズミが美味しそうにアンナが持ってきた桃色の良い匂いがする飲み物を次々と飲んでいると村長が慌てたようすでこちらへ向かってきた


「イ、イズミ様・・それは果実酒なのですが・・大丈夫なのですか?けっこうきついのじゃが・・」


「え?これお酒なの?あぁー、どうりで・・くらくらと・・ぽかーとしてきたよ・・」


(あぁー・・何だろー?凄く気分がいいやーアハハー!)


フラフラと立って歩いていると遠くで見ていたアマリアが近づいてきた


「む・・もしや酒を飲んだのか?全く・・飲むなら飲むで程々にしとけばいいものを・・『凄いぞ!あのエルフ!樽一つ全部飲み干したぞ!』・・コホン、私はイズミを宿に連れて寝かせてきます・・宿の部屋は取っておいてくれてますか?」


「あぅ・・ごめんなさい・・あたしが元気になる飲み物だと思ったの・・・子供はダメって言われたけどイズミお姉ちゃんなら大丈夫だと思って・・」


「おぉ、もちろんです・・アンナ気にする事はないぞ?知らなかっただけだしのぅ・・それではシャム様にはこちらで伝えておきますのでお先にどうぞ・・」


「うむ、すまない・・座り込む程に飲む程じゃないだろうに・・全く・・」


ぺたりと壁に寄りかかってポケーとアマリアを赤い顔で見ているイズミにアマリアは一瞬躊躇して止まったが「平常心・・平常心だ!私はもう無防備な所を襲うような下種ではないのだ!」と、小声で呟きながら前に抱き抱えて・・またお姫様抱っこで運んだ




side:アマリア


ポケーとした表情でイズミはアマリアをじっと見つめていた


「ぅ・・その・・見つめられると照れるのだが・・ほら、ベッドについたぞ・・」


宿屋の部屋に到着すると3人部屋らしくベッドが3つあったのでイズミをベッドに寝かせると自分もそろそろ寝ようかと甲冑を脱いで服を着替えるとベッドに入り込もうとするが・・


「ねぇ・・アマリア・・アマリアは・・人を殺した時にどう思ったの?」


イズミが自分の真上の天井を見ながら救いを求めるように手を伸ばしながら呟いた・・


(何だ?・・そうかイズミも人を殺したのだからな・・不安になっているのだろうか?)


「・・私が最初に人を殺したのは・・襲ってきた賊だったな・・止めろといくら叫んでも襲い掛かってくるものでな・・つい突き出した剣に一突きで殺してしまった・・その後は無我夢中で剣を振り回して・・自分が苦労して覚えた剣の技も使わずにただ振り回して・・吐いたな・・罪悪感と後悔でな」


(そうだ・・忘れもしない・・どれだけ説得をしようとも・・言葉では暴力には勝てないと知ったあの日だな・・)


「そう、アマリアは・・後悔したんだ・・僕は何も感じなかったなぁ・・人を殺したいと思った時も何度もあったから・・きっと楽しんで殺すか・・それとも後悔するのか・・どっちかだと思ったのになぁ」


イズミは手を伸ばしたまま呟いていた・・アマリアはベッドに近づくと伸ばした手を掴んでいた


(柔らかくて温かい・・だけどなぜだろう・・冷たく感じるのは・・)


「そうか・・それならば私は良かったと思うな『え?』・・イズミが苦しまなくて済んだ・・私はそれが嬉しい・・よかったと思うよ・・人を殺すのはダメだと思う・・だけどイズミが苦しむ姿も見たくない私はわがままだと思うが・・それでも私の本心だ」


イズミが無表情のまま私を見ていた・・だが少し泣きそうな顔になっていた


「そう、アマリアも変な考え方するね・・人を殺すのは本当に何も感じなかった・・だけど・・怖いと思ったのは子供と触れ合った時に・・僕は・・守りたい・・温かい感情に・・蝕まれた・・前なら何も感じないで作り笑いを浮かべて・・少し遊ぶだけだったのに・・前のボクじゃ考えない僕が怖い・・!」


搾り出すように唸るように声を出す・・泣きそうになりながらも・・泣かないで・・


(・・なぜ・・それは普通の感情だと私は思う・・だけどイズミの中では普通の感情じゃなかった、いや感じなかったのだろう・・だから今・・感じるのが怖いのか・・今まで感じなかったものが現れたから怖いのだろう・・私が変えたのだろうか?それは嬉しい・・だが本当にイズミにとって良かった事なのか?私に都合の良いように変えたのではないか?・・私は・・)


アマリアが自分の考えが正しいのか疑問に思うとイズミの手から握り締める力が強くなりハッとしてイズミを見る


「・・ねぇ、アマリア・・困惑してるけど・・ただ、自分の考えは貫き通した方が良い時もあれば・・・新しい考えを考えた方が良い時もある・・だけど重要な事は・・振り返る事かな?戻れる時に・・もしも振り向かずに自分の考えが・・道が正しいと思って突き進むといつのまにか道が消えて戻れなくなって・・・後は自分も消えるだけだと前のボクなら思ったよ・・前のボクは戻れない道だったなぁ」


ただ、寂しそうな顔だった・・もう戻れない・・もう取り戻す事はできない・・何かを失った顔だった


(・・難しいな・・私は正しいと信じた道があった・・考えがあった・・だけど間違いでもあると知っただけど、ならばイズミにした事は・・正しかったのだろうか?)


「なぁ、イズミは・・私のせいで少しは変わったかもしれない・・それは良かった事なのだろうか?私が自分の都合の良いように変えたのだろうか?」


私は・・多分・・泣きそうなみっともない顔をしてると思う・・だけどイズミは無表情になると


「だよね・・アマリアのせいで独りが怖くなった・・アマリアのせいで余計な考えを持った・・アマリアのせいで温かさを知ってしまった・・アマリアのせいでボクではなくなり・・僕になった」


イズミが人形のように言葉をただ口にするだけ・・アマリアはじっと聞いていた


(そうか・・私が変えたのだな・・普通の人の感情を教えてしまった・・それが苦しめる結果になるなんてな・・予想できなかった・・こんなはずではなかった・・言い訳にすぎんな)


「アマリアのせいで温かい事が幸せな気持ちだと分かった、アマリアのせいで独りではなく仲間といる楽しさが分かった、アマリアのせいでボクではなくなったけど僕でいるのも悪くないと思った」


イズミが言い終わると薄く微笑んだ・・ただアマリアは微笑みに救われた・・そんな気分になった


「そうか・・悪くないか・・そう言ってもらえると助かるよ・・それにな・・イズミ・・子供達に対して守ってやりたい、温かい気持ちになったんだろう?それは多分、愛情じゃないか?私も上手く言えんが」


アマリアが呟くとイズミは少し驚いた顔になったが・・天井に視線を移して口を開いた


「そっか・・愛情かぁ・・そうなのかなぁ?・・だけど急に変わるのは怖いなぁ・・ねぇ、アマリアは傍にいてくれるの?独りにしないでくれるの?・・独りにするのであれば・・もういいや・・寝ようかな」


「いや、私は一人になんてさせないさ・・例え離れたとしても迎えにいくと約束しよう・・」


イズミが拗ねたように顔を横に向けるとアマリアが再度約束の言葉を言うとイズミは視線をアマリアに移した


「そっか・・そうなんだ・・だけど僕は言葉では人を信用しない・・できないんだ・・だから不安になると思うんだ・・だから行動で示して欲しいな・・だから僕は・・・」


それっきりイズミは目を瞑った・・酒の影響なのか頬は赤く染まり呼吸も少し荒い・・ただ見つめていると妖しい魅力を漂わせていた


(こ、行動!?・・その・・もしかしてこれは・・だ、だけどこれは・・イズミの為だ!そう!イズミの為なんだ!)


「そ、その・・く、口付けで構わないのか?・・こ、行動とは・・」


ただ、イズミは目を瞑ったまま無言だった・・それをアマリアが肯定と受け取り・・ゆっくりと口を近づけて・・


「イ、イズ『はぁ・・くっ・・犬人に負けないとはいえ・・飲みすぎたわね・・・あ』・・あ」


ガチャリと部屋のドアが開かれるとアマリアはイズミの唇の距離・・およそ2cmの所で止まるとゆっくりと振り向くと固まった


「・・さて、私もそろそろ寝ようかと『ちょっと待ちなさい・・?私の時は邪魔したけど裏ではこっそりとイズミを襲ってるんじゃないでしょうね・・?』そ、そんな下種な事はせん!そ、それにイズミの了承もとったのだぞ!?『な、なんですって!?イ、イズミ!それ本当なの!?』・・なぁ、イズミ・・ってあれ?『すぅ・・ぐぅ・・むにゃ甘いものが食べたい・・ぐぅ・・』・・・あれ?」


アマリアが誤魔化そうとするがシャムが剣を抜かんばかりの怒気を纏うとアマリアはイズミの了承をとったと同意を求めるが・・当の本人は熟睡していた


「・・あなた・・・寝込みを襲うほど下種だったのね『いや、お前も襲っていただろう』っ!うるさい!とにかく私に注意していたのに自分はしていいと思っているの?・・とんだエルフ様だことね・・」


シャムがここぞとばかりに笑顔でアマリアを罵るとアマリアも悔しそうな顔をしながら反論するが


「だ、だが!イズミは了承・・む?もしや・・あの時すでに寝ていた・・?と、すれば私は・・寝込みを襲ったのか・・?・・ふ、ふふふ・・はははは!・・死のう『ま、待ちなさいよ!?』えぇい!離せ!私は・・私は2度も襲いそうになったのだぞ!?こ、こんな!『私なんてすでに襲ったわよ!』うぅ・・」


アマリアが話しの途中で何かに気づいたのか、考え込む仕草をすると乾いた笑いを浮かべて置いてあった自分の剣で首を切ろうとするのをシャムが必死に止めると・・アマリアは力なく跪いた


「ど、どうしたのよ・・ね?何があったのか説明してくれれば・・もしかしたら許すかもしれないし」


シャムが苦笑いを浮かべながらも・・くだらん理由なら斬る!という雰囲気を出していたが・・気づかずにアマリアは事の顛末を話した


「・・それは・・私ならキスだけじゃなく最後までいくわね『何?ふざけた事を』か、勘違いした人に言われたくないわね!『ぐぅ・・!』・・ふん!今日の事は不問にしてあげるわ・・早く寝ましょう、私も疲れたわ・・」


シャムが頭を手で押さえながら言うとアマリアも落ち込みながらも頷いた


「うぅ・・私は・・2度も・・こ、今度は絶対にせんぞ!絶対に!『うるっさいわね!飲みすぎできついのに大きな声出さないでよ!』・・すまなかった・・寝る事にする・・」


シャムは着替えるとさっさとベッドの中で眠りだした・・アマリアはその後も少しブツブツと呟いていたが・・時間が過ぎると静かになった・・後に残るのは静かな夜と寝言をたまに言うイズミの声だけだった

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