メモ1/動力源
1.現実にある存在
1)ガソリンエンジン
2)ディーゼル機関
3)ガスタービン
4)只のバッテリー
5)燃料電池
1).2).3)は内燃機関として有名です。またガソリンは今現在『最も完成されている燃料』です。まず、後述する水素ガスは化学的性質上危険すぎる(爆発性。可燃性。水素脆性…)こと、重水素やヘリウム3は自然界での採取が困難です。いくら優秀な機関でも燃料が調達できないとアレですから。
ガソリン・ディーゼル機関とガスタービンの差としては出力と燃費です。ガスタービンはパワフルですが「燃費が非常に悪い」、機構上「火傷する様な高温の熱風が噴き出す」「砂漠の塵埃に比較的弱い」…と言ったことから、現在の主力戦車でガスタービンを採用しているのは米のM1戦車くらいです。厳密にはロシアやスウェーデンにもあるのですが改良型はディーゼル機関だったり、ダッシュ専用のガスタービンとメインのディーゼルを混載するといったものなので。また、M1自体サブのエンジンと混載しています。
ガソリンとディーゼルの描写的な違いとしては「燃費」「振動」「サイズ・コスト」ですね。教科書的には動作原理や適応燃料の範囲とかからはじまるのですが。
ディーゼルは燃費が良い事、ガソリンと違って利用できる油の範囲が広い事で軍配が上がるものの、振動が酷く、大型で生産コストも高い事は設定上地味に痛い点です。だそくとして、発火点が低いガソリンはすぐ引火・爆発するのに比べ、ディーゼルに使う軽油などは結構燃えにくいため、オイルが熱くなるまでは火焔瓶や直接放火に強い。
4)のバッテリー/蓄電池/二次電池はかなり不遇な存在です。他の動力源で生産された電力のうち余った分を貯蓄するのがメインですかね?コンデンサ(米:キャパシタ)という意味ではレールガンでのチャージでかなり使うパーツですが。実際、描写としては「基地や生産拠点での足やフォークリフト」程度のおとなしい存在です。現実では割とパワフルですが放電してから充電するまでのタイムロスが酷いです。
重量当たりの容量(=密度)を爆発的に増加させられれば取り外し可能なパーツに、銃のマガジン交換同様、迅速に復帰できるはず。
電力だけが有り余ってて他の資源の乏しい世界ならば最高の素材なのです!
5)は最近の流行です。可動パーツが無い為静かな動作が期待できます。
低温型で最注目されているのはDMFC(直接メタノール燃料電池)ですかね。メタノールを直接反応させるためガソリン充填と類似な扱いが出来そうです。
原理的に有名なのは水素・酸素の直接反応ですが、かつて組み立てた時ちょっと危なかったので(注1)戦闘と絡むと自爆兵器ですねホント。
例によってまだ研究(特に技術革新)の必要な分野です。
空気電池?詳しくは知りませんが、反応に周囲の空気を使うので宇宙ではボンベを追加でしょうね…だとしたら空気電池の意味ないし…
2.SFでの存在
1)熱核炉
2)常温核融合炉(Pd-Reactor)
3)単核子反応炉(GNドライブを含む)
4)S2(Super Solenoid)機関
1)熱核炉はザクのあれです。実現上の問題として
・被弾時の安全性
・普段の放射線防護
等の問題が有ります。宇宙開発が進んだ世界ならばお茶の子さいさいで解決できそうなんですがね。他のもそうなんですがどうしても人型兵器に載るような代物ではないんですけれど…。
2)常温核融合炉
フルメルパニックで主人公たちが乗っていた機体の動力源。個人的に2番目に好きな機関。
人型兵器と母艦(潜水艦)では電力にする時のメカニズムが違ったり。
戦闘継続時間は100ないし150時間ですが終盤主人公機は4.8MWで30時間。
潜水艦は出力不明ながら最大で継続8ヶ月。
3)単核子反応炉・モノポール反応炉 +拡張型モノポール反応炉
1番好きな機関。真面目に考えるとかなり込み入ったもの。オカルトネタを除けば最高の動力源です。
昔のSF小説から今時のリアクターまで王道にして主流です。実質的な永久機関と言う性質上、自己修復機能付きの無人機ならば半永久的に活動可能です。
問題は材料のモノポール(ビックバンから取り残された領域にして、単一の磁場と巨大な質量を持つ素粒子)は常識的な素材ではなく、どうやって扱うのかといった興味はあるものの、
具体例とするGNドライブの「高重力環境で生産」「造るのがとってもムズイ」「何か怪しい光が出る」という設定はモノポールの性質に沿っているらしいです。(高重力環境に存在する可能性が高く、接触によって陽子が崩壊するとき大量の光子が発生)
生産は金に糸目をつけず移動込みで40年。劣化版を除き作中5基のみ。
これに関して一番疑問なのはオリジナル限定とはいえ「2基同期」で出力が「2乗」だと言うこと!!!
出力を100/1基として
オリジナル2 基同調―10,000
擬似GN炉100基同調―10,000
作中、Tau型ではツインドライヴができないそうだけれど、設定次第では欠点付きでツインドライヴ可能な亜種を生産出来るかも。不老不死系のオリ主だと原作1000年前に木星にプラント群2セット建造してオリジナル級をバンバン造らせれば原作開始時既に約500個(40年で1基)か。こう考えると作中であんなにレアなオリジナル太陽炉の価値はオリ主的には意外と安いもんなのかな?
マッチングやコントロール困難で無理そうだけれど。パワーアップがドラゴンボールのフュージョン的な発想だったり。
仮に、出力10、個性を殺して3基以上の炉を同調する『マルチドライヴ』を可能な「χ(カイ)型」(注2)を造った場合、
「χ型4基同期」=「オリ2基同期」=「τ型100基同時」
こう言う設定を考えるのって面白いよね!
4)S2(Super Solenoid)機関
作中、使徒達の動力源なんだけどSF的な考察が割とある。曰く、電気ウナギの反物質(陽子と反陽子の無限生成)版
これだけ聞くと『反陽子砲』に使えそう。
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注1:当時作った時、水素ボンベの扱い(決まり上全体が赤でペイントされた如何にも危ないボンベ)で発表時ゴタゴタ(警備ともめた)があったと聞く、ある時、自身らで作った装置の反応部分が出し抜けに燃えたり。
実験室レベルでの水の合成でうっかり爆発して大怪我した例も聞くし、高圧ボンベを載せた車にはとても乗りたくない。アメリカンなドンパチに巻き込まれたらガソリンの爆発炎上より怖いってアレ。
注2:有る講義のせいでギリシャ文字の「ε-δ」と「λνξ」にトラウマを持っている。でもθとφ、ψはお友達。