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ペーパームーンニューライト  作者: 一七


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15/20

9-2.夜の日常


 ★


 ベンチに腰掛けた水瀬君がノエルを撫でます。ノエルは気持ちよさそうに目を細めていました。


「なに今日来るの早いじゃん」


「ノエルの食欲がなくて先に散歩に来たんです」


「そうなのか? 今はむしろ腹減ってそうだけど」 


 言われてみると、ノエルは何かを期待するように私と水瀬君を見上げていました。


「本当ですね。さっきまでお腹いっぱいって感じだったんですけど」


 一応持って来ておいたノエル用のおやつをあげると、水瀬君が「俺があげても良い?」と言ったのでお任せしました。


「いっぱい食って大きくなれよー」


 優しく見守る水瀬君とノエルを眺めていた、その時でした。


 ぐうぅううう。


 静かな夜を切り裂く様な轟音が響き渡ります。私の腹の音でした。


「⋯⋯東」


「はい」


「犬用のオヤツは、食べるのやめといた方がいいと思うぜ?」


「⋯⋯流石にそこまで飢えてないです」


「仕方ないなー、コレやるよ」


 ポンっと投げて寄越されたのはカロリーメイトでした。


「⋯⋯ありがとうございます」


「俺も食ーべよっと」


 こういう携帯食は、普段ならあまり好んで食べないのですが、今日は意外なほど美味しく感じ、気づけばあっという間に食べ終えていました。

 そんな私を見て、そんなに喜ぶならば、と水瀬君は荷物を探ります。


「お、ポケットに飴も入ってた。溶けてるけど食う?」


「⋯⋯気持ちだけ受け取っておきます」


 丁重に断ったはずなのに、彼は飴をぽいっと投げてよこしました。反射的に受け取ってしまいます。


「ちょっと、投げないでくださいよ」


 とはいえ、せっかく探して取り出してくれたものを、無下にするのも気が引けて、私は飴を鞄にしまいました。


「いーじゃんいーじゃん。ま、非常食ってことで⋯⋯ん?」


「どうしました?」 



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