21. 決別の朝
登場人物
<ディヴァインリーパー>
ジェシカ
グラフ
アンディ
アリス
アルス
クロード
グラフの想い人
ルミナス・エフェメール
グラフの兄
グレン
グレンの妻
マリー
四代厄災
悲狂のアン・フォリー
──翌朝。
お酒の影響もあり、深夜遅くまで語っていたグラフ。
太陽が真上に上がりそうな時間に目が覚める。
「あ、あ……頭が痛いな。少し飲みすぎたか……」
頭を抱えながらベッドから降り、部屋を出た。
「あら、目が覚めましたか」
グラフを見てクスッと笑うマリー。
「グレンから、起きたら伝えて欲しいと言われた事があるのですが……先にお風呂に入りませんか?」
マリーの言葉に昨晩アリスに言われた言葉を思い出す。
「……すまない。汚れた格好でベッドに……」
「うふふ、大丈夫ですよ。それにお疲れだったみたいで」
「……ああ……」
少し戸惑うグラフ。
「お風呂はあっちにあるので、よければ使って下さい」
「すまない、使わせてもらう」
マリーの言葉に甘え、グラフは風呂場へと向かう。
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風呂場にて、上着を脱ぎ目の前にある鏡に視線を向ける。
グラフの右胸に刺青に指を当て、鼻で笑う。
「ふっ、もう俺には必要ないのかもな……」
そう思いつつ、お風呂へ足を運ぶ。
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「あら、綺麗さっぱりになりましたね」
優しい笑顔がグラフを視界に入る。
「……風呂助かった」
グラフはテーブルの方へ向かい椅子に座るり、マリーも反対側に座り、口を開く。
「グレンからの伝言です。起きたら工房に来るように。と」
「伝言、確かに受け取った」
するとグラフは立ち上がり、工房へと向かう為に玄関へと足を運び、帽子を深く被り背を向けたまま口を開く。
「……ありがとう」
そう言い残し、グラフは工房へと歩き出した。
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「……グレンはいるか」
「おお、待っていたよ。早速始めるかの」
工房にいるフレデリックがグラフへ話しかけた。
「なんの話だ……俺はグレンに用がある」
「ああ、分かっている。武器をつくるんじゃろ?」
「そうだ」
「なら、先にお前さんの手や筋肉、癖など知る必要があるだろ?ほれ、座れ」
フレデリックの前に椅子を置き、グラフを座るように促す。
こうしてグラフの武器作成は始まるのだった。
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──ミネルバ王国・拠点。
ジェシカとアリスはリビングの椅子に座り、話しをしていた。
「いいかしら、まず魔法国家アルカナンなのだけど、あそこは私の隠れ家のあった、あそこ土地がアルカナン領土になるわ」
「そうなんだ」
「ええ、それに……アルカナンは数少ないサキュバスが行き交う国なの。それに、魔法を信仰しているわ」
アリスの話を無言で聞くジェシカ。
「そして、アルカナン領土には四代厄災の一人、悲狂のアン・フォリーが存在するの……」
「そうなんだ……」
アリスは話しながら視線を落として言葉の声も小さくなる。
「今、アルカナンは悲狂のアン・フォリーに侵略されようとしているわ、それにリベリオンとも戦争をしていて、とても危機的状況なのよ」
アリスの話にジェシカは反応する。
「確認なんだけど、アルカナンに免罪符があるんだよね?」
「ええ、教会の大司祭から直接依頼を受ける必要はあるの」
「え……そうなの?」
「依頼を受けるだけでも大変だと言う事なのよ」
「……どう言う事?」
「魔法国家アルカナンは太陽が沈んでいる時間は警戒令が出てるの。
その時間帯に教会へ向かい、大司祭の元へ行く事で依頼を受ける事ができるわ」
アリスの言葉にジェシカはどこか楽観視していた。
「ふーん、夜に会いに行けばいいんでしょ?」
「ええ、そうよ」
「えへへ、思ってるより簡単な話しだね!」
「え……?ええ……ジェシカにとっては簡単な話しになるのかしらね」
アリスはテーブルの紅茶に手をかけ持ち上げ、口に含む。
一息をつき、ジェシカの方へと視線を向ける。
「話を聞いてどうかしら?アルカナンの事で何か質問はあるかしら」
「うーん。そうだね、悲狂のアン・フォリーの事をもう少し聞きたいかな」
ジェシカの言葉に、アリスが持っているカップが揺れる。
「……そうね、分かったわ」
アリスの言葉はどこか重く、空気も重くなったのをジェシカは感じていた。




