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紅月のクロスリーパー 〈血を武器に変える少女と世界の真実〉  作者: ルーツ
第四章 争いの果てに何を想うのか

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88/93

17.覚悟の行き先

登場人物

<ディヴァインリーパー>

ジェシカ 

グラフ

アンディ 

アリス

アルス

クロード


グラフの想い人

ルミナス・エフェメール

二人は廃城の椅子に座り、無言の空気が流れていた。


「ねぇ、グラフはどうしたいの?」


「……そうだな。俺はルミの魂をこの世界から消してやりたい。

そして、俺も一緒にルミをずっと守ってやりたいと思ってる」


ルミナスを想うグラフの気持ちを、近くで聞いていたジェシカは視線を下に落としていた。


そんなジェシカの様子に気づいたのか、グラフは少し明るく声を上げる。


「今すぐどうこうなるわけじゃない。そんな暗い顔するな、ジェシカ」


「だって……そんな悲しいこと言われて、素直に喜べないよ」


「お前の言ってることは分かる。だが、これは俺の覚悟だ。受け止めてくれ。

そして時期が来たら、俺は自分のために行動する」


グラフはジェシカの目を見て、はっきりと言い切った。


「……分かった。ありがとう、グラフ。話してくれて」


「ああ、そろそろ戻るか」


「そうだね、帰ろう」


──────────────────

────ミネルバ王国・拠点。


ジェシカとグラフは拠点に戻り、玄関の扉に手をかける。


開けた瞬間、工房から鉄を叩く音が聞こえてきた。


「あ、そっか。今日から三日三晩、寝ずだったね……」


「そうだな。奴らの努力が形になるまで、俺たちは待つしかないな」


「うん、三人とも頑張ってるみたいだね!」


鉄を叩く音を背に、二人はリビングへと足を運ぶ。


──────


「あら、大丈夫だったの?」


そこにはアリスの姿があった。


「あ、ただいまアリス」


二人を見て、アリスはくすりと笑う。


「うふふ、何があったのかしら……二人とも、服もだけど……汚れてるわよ」


アリスの言葉に、ジェシカとグラフは顔を見合わせ、笑い合う。


「あはは! 本当だ! グラフ、汚い!」


「くっくっく……お前も人のこと言えないだろ」


さっきまでの重い空気を払うかのように、二人は笑った。


「ほら、先にジェシカかしら。お風呂に入ってきなさい」


アリスに促され、ジェシカは涙を浮かべながらも笑って頷く。


「あ、うん! 先に入るね、グラフ」


「ああ、先に行け」


「また、後でね!」


ジェシカはリビングを出て風呂場へと向かい、その笑い声は扉の向こうへと消えていった。


──静寂。


「……さて、グラフ。あなた、ジェシカに何を話したの?」


先ほどまでとは雰囲気を変え、アリスはグラフに向き直る。


「……何もしていないさ。ただ俺の意地と過去、そして覚悟を話しただけだ」


「……そう。でもね、もうジェシカに重荷を背負わせないであげて。

分かるでしょ? あの子はまだ幼いの。それでも、自分の背負っているものと向き合って、覚悟を決めて今があるのよ」


アリスの言葉が、グラフの胸を抉る。


「……分かっている。だからこそ、お前に研究の依頼をしたんだろ」


「……いいわ。そんなに知りたいなら、教えてあげる」


「な、何!? 分かったのか?」


「ええ。先に結論を言うわね」


グラフとアリスの間に、緊張が走る。


「可能よ」


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