過剰と心得
登場人物
クロスリーパー
主人公 工房の鍛治師 古代マリア
ジェシカ アンディ リーン・ホーク・マリア
占い師
アリス
ホーリーヘレティック
聖人エルドレッド 教祖エリック
先代マリア
ニッカ
無言のままアンディはジェシカの眠るベッドに歩き近くあった椅子を手に取り近くに置きゆっくりとギシッと音をたて座った、、
ジェシカの寝顔を少し遠くから見つめふとジェシカとの思い出に耽る
・・・・・・・・・・・
「思えばお前が先代マリア様から命を授かり産まれ時からこうなる事は決まっていたのかもしれないな」
「そして、、、エリック、、、お前どうして、、」
「ねぇアンディ、、、、」
!?
「な、なんだ、、起きていたのか、、、」
「うん、、、今アンディが独り言に出た名前が私の家族なの、、」
「いやお前の家族は俺たちだ。」
「お願いアンディ、、教えてよ。」
「、、、、、、、そうだな、お前は先代マリア様とマリア様に見初られたエリックとの子だ」
「そして身籠ったマリア様の力は全て子に託され次世代のマリア様がこの世に産まれると同時に命を落とす」
「こうして血を絶やす事なく俺たちはそれを守り続けている。」
「ジェシカ、、お前で31代目だ、、だがな、、古代マリア様から血を受け継いだとしても血は薄くなって行き先代の力は俺たちとそれ程差はなかったんだ、、」
「なのに子を産むと命を落としてしまう。この理不尽な事に異議を立てたのがエリックだ、、」
「そしてそのエリックは俺たちクロスリーパーを恨み対抗する為に邪教徒を立ち上げ俺たちの前から姿を消しリーパーを見つけ血を抜き新たな種族を誕生させようと目論んでいる。」
、、、、、、、、。
「じゃ、、あの時私が捕まっていたのは、、、」
「そうだ。あの中にエリックが居たと思うが奴ら深くフードを被り顔が見えないようにしている」
「何より奴らは古代マリア様に見初められた男、、エルドレッドの子を人間の女に身籠らせ選ばれしも者を配下としている、、」
「そいつらはホーリーエンブレムと言われ常に聖人と言われたエルドレッドに仕えている」
「そう言えばあの時の、、」
「何だ?」
「ううん、、ただあの町でフード被ってた奴も確かそんな事言ってた。」
「確かホーリーエンブレムの、、エルダートとか、、」
「何だと!?」
「そう言う事か、、、既に奴らはジェシカがマリア様の生まれ変わりだと分かっている、、」
「そしてあの事が起こり古代マリア様に憑依され暴走したジェシカの事も把握してる可能性があるか、、」
「なんて事だ、、、、」
「ジェシカ、、お前はこれからヘレティック共に追われる可能性が大いにある。」
「1人で対処は難しいだろうが逆を言えばお前の力を任せられる奴がいれば対処は容易になる」
「、、、、、俺が何を言いたいか分かるな。」
「、、分からない。」
「ジェシカ、、、」
「分からない!」
「こっちを見ろ!!」
「嫌だ!!」
アンディが何を言いたいのか理解はしているが納得はしたくないジェシカ、、
「、、できれば俺もお前と一緒にと。今でもそう思っている」
「じゃ!!」
手を前に出しジェシカの言葉を遮った
「俺は所詮鍛冶屋だ、ジェシカ、、、誰にでも得て不得てはある。」
「これを克服するには年月をかけて何倍と努力しなくては行けない、、今の俺はお前を守る事はできない」
「私がアンディを、、、、、」
アンディはじっとジェシカの綺麗な蒼い瞳を見つめる
、、、、、、、。
首を横振りゆっくり話しだすアンディ
「俺はお前の重荷にはなりたくない。」
「そんな、、、重荷なんて、、、、、」
「現実を見ろ。」
「これからはジェシカが信じられる仲間を見つけヘレティックからの脅威を払い除けろ」
「できる事なら邪教徒共を駆逐しエリック、、そしてエルドレッドを解放してやってほしい」
、、、、、、、。
アンディに背を向け布団を頭まで被せた
「すまないジェシカ、、、」
そう言うとアンディは椅子から立ち上がりアリスの所に向かった
*********
そこから数日が経過しアリスは2人が居る部屋に入ってきた
「ジェシカ!!」
勢いよく扉が開く!
「うわっ!何、、びっくりしたー!」
「うふふ、、、すごいわジェシカ!」
??
「おいアリス。何が凄いのか分からんだろ、、、」
「あーそうね、、あまりの凄い事に興奮して取り乱しちゃったわ」
「それで何が凄いんだ?」
「その前にアンディ。」
「何だ?」
「死者の血液が欲しいの、、、採取してきてほしいわ」
「俺を使うとはな、、、」
「うふふ、いいじゃない?これは必要な事なのよ」
「お願いね。」
、、、、、、、。
無言のままアンディは死者狩りにアリスの住処を出て行った
その間にアリスは私のアルカナをもう一度見させて欲しいと言ってきた
「これますごく大事なの、、、ダメかしら?」
「ううん、アリスは良い人だから大丈夫」
「うふふ、、ありがとうジェシカ」
そう言うとアリスはこの前とは違って私の目をじっと見つめ目の前に人差し指を立てた
ジェシカこの指に集中して見て
「分かった。」
集中していると周りの景色がだんだんと暗くなって行き気がつけばアリスの姿も消え真っ暗な空間に1人立っていた。
【まさかオマエと対峙するトわな、、、、】
!?
この声に聞き覚えがあった。それは私の頭の中に聞こえて来る声だった
「ねえ貴女はどこから私に話しかけているの、、」
「フフ、、、オマエの意識ニ直接だ、、」
「、、、、、、、、それで貴女は私の何」
「エルドレッド、、、それダケだ」
「何?何を言ってるの!?」
「お前ノ身体をワタシに貸せ、、、さすれば力はオマエに全てやる」
「あレだけはワタシのテで、、、」
「待って!今はまだ貴女の言ってる事は理解できない!」
「だけど私と貴女には共通しているわ!」
「何ヲだ、、、」
「私はエリックを探して倒す!」
「貴女の言うエルドレッドも同じ所にいる可能性がある!」
「だから互いに助け合う事ってできないの!?」
「、、、、、、キサマ、、ワタシを手懐けルとでモ」
「そんなつもりはないよ!互い協力し合えば目的を果たせる可能性があるでしょ!!」
「フフフ、、フハハ!!面白い、、ヤッて見ろ、、」
「オマエの力を見せテ見ろ!」
そう言うとジェシカの目の前に人の形をした影が現れた
【スカーレットローズ】
そう言うと真紅の薔薇の花びらにも似た血が舞い右手に金色に輝く大鎌を手に取りジェシカに向け構えた
「ねえ、、貴女の名前教えてよ。」
「、、、リーン・ホーク・マリア」
「、、、マリア。」
「スカーレットローズ」
ジェシカの両手に金色の短剣が現れ同じく薔薇の花びらのようにゆらゆらと舞う。そしてマリアに向け身構える
「ほぉ、、使イこなすカ、、ヤルナ。」
2人距離を取り同じタイミングで突進し大鎌と短剣が触れ力比べの体制へと移るがジェシカはあえて力を抜き床に仰向けになりマリアを上空に高い飛ばすその瞬間に薔薇の血を足場にして飛ばされたマリアと同じ高さに移動し両手に持つ2本の短剣で攻撃をした
だがマリアはニヤリとしつつ片腕で簡単に防ぐ
距離を取りつつ地面に足をつけ互いに様子をみた
主導権の争いはまだ始まったばかりだ。




