表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/6

もうひとつの(?) 第0話 : ~☆ テ キ サ ス の サ ム ラ イ ☆~

** タイトルは適当です。気にしないでください。 **

** この作品はアメリカとは一切関係ありません。 **




「それ、アンタのだからね」

「…はい?」


 とある土曜の朝の10時過ぎ、全くもって唐突に『姉』という理不尽な物体が私の部屋に襲来したのが、すべての始まりだった。



< < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < <



 社員に何か恨みでもあるのかと思うほどのスケジュールのぎっしり詰まった年末進行で、残業どころか早出に休日返上という、正に『心を亡くす』と書いて『忙しい』を地で行く日々もやっと一息ついたのが、つい昨日。

 やっとのことで年内の営業を終了したその夜、「年忘れ会」と銘打った忘年会を兼ねた打ち上げに繰り出した睡眠不足の(私を含む)メンバー全員のテンションは、さながら雨後のタケノコの如く天井知らずに跳ね上がり結果として少々アルコールの量が過ぎていたとて、一体誰がそれを責められようか。


 …まぁ何が言いたいのかというと。


 頭痛いんです二日酔いなんですってか帰宅したの明け方なんです眠いんです。

 一言でいえば「姉www自重しるwww」なのです。


 しかし残念ながら当家に居座る最強生物『姉』に、私ごときの「タヌキ寝入り」「冷たい目線」「無言のプレッシャー」等々が通用するはずもなく。

 最終防衛ラインたる我が部屋のドアはいとも簡単に突破され、布団にくるまっている私の上に中身の入った(しかもやたら重い)段ボール箱という爆撃が落とされ、「ぐぇっ…」っという乙女らしからぬ声が漏れてしまった時点で、私はやむなく白旗を上げたのである。 いつものことながら。



 …そして、冒頭のセリフに繋がるわけだが。



「(毎度の事ながら意味わからねェですよこの馬鹿姉…)」


などと考えてしまったのは仕方のない話である。

 もぞもぞもぞもぞと動いてとりあえず重し付き布団からの脱出に成功した私だが、その布団の上にででーんと鎮座している謎の段ボール箱には、とんと見覚えが無い。


「…何これ?」


 偽らざる本音であった。


「何言ってんのよ。 昨日言ってたアレよ」


 尋ねられた姉は例によって、さも不思議そうな顔をしてらっしゃるわけですが。

 昨日私が家を出たのはあなたが起きる前で、帰ってきたのはあなたが寝た後なのですよ姉さまよぉ。


「ま、いいか。 ほら、これがログインIDとパスワードね。 無くすんじゃないわよ」


 そんな事をのたまって、何やらアルファベットと数字が記載されたハガキを私に押し付けてきた。

 全然良くないです、と私が抗議をするよりも早く、例によって姉は私の部屋から去って行ったのである。



「…どないせーゆーのさ…」



 とりあえず、段ボール箱をのかせた。 意外と重い。

 そのまま二度寝しようと思ったが、二日酔いの頭が水分の補給を訴えていた。

 

 ええぃちくしょう。


 台所に行って500mlのミネラルウォーターのペットボトルを持ってくる頃には、すっかり目が覚めてしまった。

 溜息をひとつ漏らしつつ、姉に押し付けられたハガキに目を落とすと、その文字が目に飛び込んできた。



――――――――――――――――――――――――――――――


株式会社サンダイノムコ ゲームエンタテイメント


 オンラインゲーム事業部

 『幻想大陸』係


「一般サービス開始前公開テストへの参加お申込み」係


~(略)~


 ログインID : cbbz4g2a

 ログインパスワード : 80d5 - hit7 - k97w - 4sa0

 お申込みハンドルネーム : misakonousagi


――――――――――――――――――――――――――――――



「(なんで私が高校の時書いてたポエム集のタイトル使ってる~~~~~!?!?

ってか何故に知ってる~~~~~!!!!)」


 最後の一行を見た瞬間、他の所はもうどうでもよくなった。

 そして、私は今年何度目になるか分からない殺意を抱いた。 無論姉に。



< < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < < <



 さて。


 不本意かつ傍迷惑極まりない理由からスタートする事になった私のゲームライフのお話。

 …ではあるが、はっきり言って忙しい私としては、廃プレイなんて望むべくも無く。


 開始当初こそ年始休みを存分に使いプレイしてみたものの、当然ながらそれが続くはずもなく。

 今では平日にログインするのは決まって深夜、仕事後に帰宅してからである。





 風呂を堪能し、遅めの夕食をとる。

 そして持ち帰った仕事をさくっと片づけると、時刻ははや10時を回ろうかという所である。


 さて後は寝るだけ…という状態にしてから、おもむろにゲーム機のスイッチを入れる。

 翌朝もそうそうのんびりとはしていられない。

 12時前には就寝するのが基本なのです。 お肌的にも。





 そんな私がゲーム内でやっている事といえば、専ら『街巡り』です。

 なにせ、このゲームではやたらと街マップが多いのです。





『 第一新市街 』、『 王城 』、『 貴族街 』、

    『 職人街 』、『 鉱業区 』、『 バザール 』、

  『 翼人居住区 』、『第一農業区 』、『 ドワーフ族街区 』、

      『 ウィルディス北部旧市街 』、『 大聖堂 』、『 ウィルディス港 』、

        『 第三新市街 』、『 獣人街 』、『 ウィルディス南部旧市街 』、

    『 第四農業区 』、『 第二新市街 』、『 エルフ族居住区 』、

『 第二農業区 』、『 第三農業区 』、『 演習場 』、『 スラム 』、

      『 猫人キャンプ 』、『 大森林区 』、『 大中央湖区域 』、

  『 駐屯地 』、『 闘技場 』、『 工業区 』、『 王立大庭園 』、


他にも、東西の城門街区だの地下水道マップだの隠し通路マップなんかが色々とあるらしいのですが。

正直そこまで手が回らないのです。機会があれば行ってみたい気はするけども。





さて、今日はそんな私の『日課』を簡単に紹介します。



まずログインすると、『 ウィルディス南部旧市街 』の中央広場の噴水前です。

ここで最初のクエスト≪泉の儀式≫をさくっとこなします。

…10ゴールドを泉に投げ込んで、1分間お祈りするだけですけどね。

ゲーム内で一日一回可能なクエストで、すこ~しだけ名声値が上がるのです。


次に、同じマップ内を南に少し下って、赤い看板の寂れた酒場に入ります。

酒場と雑貨屋兼業のこのお店で、「火打石」を4個、「釣り糸」を1本、「ローズマリー」を1袋、「ミントキャンディー」を3個、「カーネーション」を1本購入します。

これで丁度100ゴールド。 


…じつはこのお店、いくつかの条件のうちどれかを満たすと「福引券」をおまけにくれるのです。

「代金がきっかり100ゴールド」っていうのもその条件の一つ。 

同じ条件でおまけをくれるのは一日一回だけなので、買い溜めはできないんですけどね。

ちなみに、(2割くらいの確率ですが)福引券を2枚くれる事があります。


買い物が終わると、店の片隅で静かに(いつも)飲んでいるおじいさんに話しかけて、クエスト≪孫への贈り物≫をオファーして酒場を出ます。



『 ウィルディス港 』方面に向かいつつ、途中でお花好きのお嬢様に話しかけた後「カーネーション」を渡し、クエスト≪華のある生活≫をクリア。

報酬として「手作りビスケット」「手作りクッキー」のどちらかをランダムで頂きます。


そのまま隣の家にお邪魔して、お料理中のおばさまと話した後「ローズマリー」を渡し、クエスト≪料理は愛情≫をクリア。 

報酬に「ロレントアップル」「サリアンオレンジ」「エルシモパイン」の中からランダムで1個頂きます。



港に入ると、すぐ右側の防波堤で遊んでいる子供に話しかけてから「ミントキャンディー」を渡すと、酒場でおじいさんから受けたクエスト≪孫への贈り物≫完了です。

報酬は特にないんですけど、名声がちょっとだけ上がります。


…ちなみに、このクエストはクリア後1分間だけボーナスクエスト≪ボクにもちょうだい!≫が発生してます。

一緒に遊んでる二人の子供に、それぞれ一個づつ「ミントキャンディー」を渡すとクリア。

クリア後、子供たちの近くで釣りをしている子供好きのおじさんNPCに話しかけると「スモールサーディン」を貰えます。

生のイワシを剥き出しで渡されても…と思いつつも、にこやかに受け取って袋に入れておきます。


そして隣の波止場へ行って釣り糸が切れて困っているおじさんに話しかけ、クエスト≪波止場の釣り師≫をオファー。

酒場で購入しておいた「釣り糸」を渡してクリアです。 報酬は30ゴールド。



その足で今度は海岸沿いを東へ向かいます。

途中、海岸にいる女の子に話してクエスト≪海からの贈り物≫をオファー。

きょろきょろと海岸を見回し、きらりと光る物があれば走って行って「光るかけら」を拾い上げ、女の子の所に持って行くのです。

それを渡すと女の子はしばらくそれを調べます。 女の子が「これ! これよ! サンゴのかけら!」と言ったならクエストクリア。

違う答えだともう一回探し直しなのです。 貰える報酬は「貝の首飾り」。


海岸沿いの道で捨て猫を拾った男の子に話して、クエスト≪餌付けは大変≫をオファー。

緑の屋根の小屋の裏に回り、猫に「スモールサーディン」をあげるとクリア。

男の子の所に戻って話しかけると、報酬「竹の釣り竿」が貰えるのです。



さて、そのまま東に行くと今度は『 第四農業区 』。

入ってすぐ右手にある水車小屋に入っておじさんと話すと、クエスト≪間食配達人≫をオファー。

その後、さっきのクエストで報酬に貰った「クッキー」か「ビスケット」を渡すとクリアです。

報酬に40ゴールドを貰えます。


小屋を出て水路沿いに歩き、畑の脇でたき火をしようとしている農家の人に話しかけると、クエスト≪たきぎに火をつけて≫をオファー。

そして「火打石」を4個渡してクリア。 報酬は最初の一回が「ベークドポテト」で、二回目以降はずっと50ゴールドです。

(ちなみに私が貰った「ベークドポテト」は、ずいぶん前に大変美味しく頂きました)


次は、二本の大きな木の間の道を奥に入り、藁ぶき屋根の家にお邪魔します。

家の中でお父さんの誕生日プレゼントを作っている女の子に話しかけ、クエスト≪感謝の気持ち≫をオファー。

ちょっと北にある林に行って、地面をあちこち調べます。 ランダムで「落ちている木の実」を拾えるので、戻って女の子に渡します。

女の子が「ありがとう!」と言って報酬に「手編みの麦わら帽子」をくれたらクエストクリア。

女の子が「うーん… これはちょっと飾りには使えないかなぁ…」と言ったらもう一度探しに行かないとなのです。


その後ちょっと南に行って、畑の真ん中にいるおじさんに話かけ、クエスト≪おいらはカカシ≫をオファー。

今度は東の畑に行き、別のおじさんに「手編みの麦わら帽子」を渡すとクリア。

報酬は40ゴールド。



戻る前に、その隣の畑のおばさんに話しかけて、クエスト≪体に気をつけて≫をオファー。

港に戻って西の倉庫に行き、荷物を運んでいる若いおにーさんに話してさっき報酬で貰った「ロレントアップル」「サリアンオレンジ」「エルシモパイン」のどれかを渡すとクエストクリアです。


ちなみにこのNPCおにーさんの好みは毎回違い、「大好物なんだ!」と言った時は報酬に10ゴールド貰えるのですが、「ありがとう!」だけの時は名声アップだけなのです。



さて、その後最初の旧市街に戻り、北側の孤児院に行くのです。

そこのおねーさんNPCに話して、クエスト≪御心のままに≫をオファー。

庭で遊んでいる女の子に「貝の首飾り」を渡すとクエストクリア。 報酬は名声アップ。


そして、出発地点の噴水前に戻ってきました。 ここまで1時間ちょっとです。 

今日一日の収支は、160(or 170)- 110 = 50(or 60)ゴールドの黒字+「竹の釣り竿」+名声値の積み重ね、です。




週末、土日のどちらかで、いつものコースに加えて『 第三新市街 』の福引所に行きます。

ほとんど毎回ハズレの景品「ダーツ」ばっかり貰いますけど、たま~に他の装備も当たります。


その後、いつもの酒場兼雑貨屋で釣り糸と1匹2ゴールドという格安の「リトルワーム」をどさっと買い込み、『 第四農業区 』の外れにある貯め池に行きます。

まず他のプレイヤーが来ないこの貯め池で、リアルで数時間ほどのんびりと釣り糸を垂らすのです。

リトルワーム…ミミズをつけるのはちょっと苦手ですけど、何も考えずボーっと釣り糸を垂らしている時はすごくリラックスできるのですよ。


ちなみに、釣れるのは主に「錆びたバケツ」です(泣

たまに「ライトザリガニ」「沼ブナ」なんかも釣れますけど…


そして、糸が全部切れるか、竿が全部折れるか、エサのリトルワームが全部無くなるかしたら、そこで終了なのです。




そんな私ですが、クエストクリア時に獲得できる経験値がそれなりに貯まってたみたいです。

(初回クエストクリア時&複数回受注可能クエストは10回毎に少しだけ経験値が入る)

ゲーム開始から約一カ月。 一度も街の外に出ず、一度も戦闘しないままレベルが2に上がりました。


そんな日々を送っているわけですが、オープンテスト約一カ月目を迎える今日、テスト開始後初の大規模メンテナンスとやらで今日は丸一日ログインできないのです。

折角の週末なのに、残念。





~以下おまけ~


- - - - - - - - - -


◇ステータス◇

 名前:ミサ / 種族:人間族

 職業:冒険者 / 状態:健康


 Lv :2  Next EXP:125/2000

 HP:52/52(+2)

 MP:27/27(+2)


STR:16(+0) DEX:16(+0) AGI:16(+0) VIT:16(+0)

INT:16(+0) MND:16(+0) CHR:16(+0) LUC:16(+0)


火属性:-4(-5) / 土属性:1(+0) / 水属性:3(+2) / 風属性:2(+1)

氷属性:1(+0) / 雷属性:1(+0) / 光属性:1(+0) / 闇属性:1(+0)


 *ステータス 未振り分けポイント:2

 *属性値 未振り分けポイント:1 

 *( )内は装備補正


◇装備◇

装備:武器

 右手x ウッドソード (攻撃力:5、火属性:-5)

 左手x なし

 遠隔x ダーツ[22本] (攻撃力:1)


装備:防具

 頭 x 手編みの麦わら帽子 (防御力:1、風属性:+1)

 首 x 貝の首飾り (水属性:+2)

 腕 x 木綿のリストバンド (防御力:1)

 胴 x 冒険者の服 (防御力:6)

 脚 x ノーマルズボン (防御力:2)

 脚 x ノーマルブーツ (防御力:2)


防具:その他

 腰 x なし

 背 x コットンケープ (防御力:2)

 指1x 銅の指輪 (HP:+2)

 指2x なし

 耳1x 銅の耳飾り (MP:+2)

 耳2x なし


◇道具袋◇

 資金:870 G

 容量:/100

 99 x 錆びたバケツ 

 99 x 錆びたバケツ

 99 x 錆びたバケツ 

 48 x 錆びたバケツ

 71 x ライトザリガニ 

 64 x 沼ブナ

 18 x リトルワーム

 11 x 釣り糸

 05 x 竹の釣り竿

 06 x 福引券


◇クエスト◇

オファー済みクエスト:

 -なし


クリア済みクエスト:

 -泉の儀式

 -孫への贈り物

 -華のある生活

 -料理は愛情

 -ボクにもちょうだい!

 -波止場の釣り師

 -海からの贈り物

 -餌付けは大変

 -間食配達人

 -たきぎに火をつけて

 -感謝の気持ち

 -おいらはカカシ

 -体に気をつけて

 -御心のままに


◇ミッション◇

オファー済みミッション:

 -なし


◇ギルド◇

参加ギルド:なし

 -オフィシャルギルドに加盟していません

 -プライベートギルドに加盟していません


◇フレンド◇

フレンドリスト:

 -フレンドがいません


◇スキル◇


 * 武器スキル *

  - なし


 * 戦闘スキル *

  - なし


 * 非戦闘スキル *

  - 信仰:14

  - 釣り:23


 * 合成スキル *

  - なし


 * 魔法スキル *

  - なし


 * 特殊スキル *

  - 街の御用聞き:☆☆

  - ピースメーカー:☆

  - フィッシャー:☆


- - - - - - - - - -


*街の御用聞き


 条件:一定数以上のクエストのクリア、一定以上の種類のクエストのクリア

 効果:クエストオファー時に以下の効果

    - クエストオファーに必要な名声が足りない場合でもオファーできる場合がある

    - この称号が無いと受注できないクエストがある

 効果:クエストクリア時に以下の効果

    - 名声上昇率アップ


*ピースメーカー


 条件:一定期間以上戦闘を行わない

 効果:特定のクエストオファー時に以下の効果

    - クエストオファーに必要な名声が足りない場合でもオファーできる場合がある

    - この称号が無いと受注できないクエストがある

 効果:特定のクエストクリア時に以下の効果

    - 名声上昇率アップ


*フィッシャー


 条件:一定回数以上釣りを行う

 効果:釣り実行時に以下の効果

    - 釣り成功率アップ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ