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日本怪奇譚集  作者: にとろ


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イヤホンから聞こえるもの

 Yさんはワイヤレスイヤホンを使って音楽を聴きながら道を歩いていた。聞いていたのはポップミュージック、せっかく新しいイヤホンを買ったので早速試していた。


 なかなか音質がいいななどと思いながら歩いている。そんな時、絹を裂くような女性の悲鳴が上がった。驚いて周囲を見渡すと『助けて!』と大声が聞こえた。


 イヤホンを外して周囲を見るが誰一人いない、自分が助けなくてはと気がはやり、どこに被害者がいるのかと見回して気がついた。


 音源は自分のスマホだった。スマホを開いてミュージックアプリを止めると悲鳴も止まった。さっきまで聞いていたのは決してこんな音が入った物ではない。不気味に思いつつスマホを見ると、充電が上手く言っていなかったのか、イヤホンは両耳共にバッテリーが切れていた。自分が今まで聞いていたのは一体なんだったのか? そう思いながら、念のためもう一度再生をするとスマホから普通の音楽が流れた。


 意味が分からなかったが、周囲をよく見ると、交差点の電柱の下に花束が置いてあった。Yさんはそっと手を合わせてその場を通り過ぎた。それ以来特におかしな事も無く、イヤホンはきちんと使えているという。


 なお、その交差点では事故があったなどと言う話は全く聞いたことが無い。

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