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日本怪奇譚集  作者: にとろ


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何が原因か

 樋口さんはある日、昼食に安くて美味しいと評判の店に訪れていた。せっかくなので写真をSNSにアップロードしようとしていたのだが、そこで何かが起きたそうだ。


「ハッキリ言って不気味なんです。いや、アレが店のせいなのか、撮影するスマホのせいなのかは分かりませんけどね」


 ソレがあったのは彼がお昼休みに写真映りの良い料理を食べに近所の料理屋に行った時のことだ。彼女はSNSに食べ物や同僚との楽しい写真をあげるのに熱心だった。無闇にアップするのもどうかと思うのだが、今では珍しくないので仕方ない。


 そこはよくある店舗では無いので、まだ料理の写真を取っている人は見当たらない。ならば第一人者になろうとその店に入って一番映えそうな料理を注文した。一応食べることは食べるのだが、どうにも彩り優先で味の方を後回しにしている勘は否めない。しかし彼女からすれば、美味しい料理は次に来た時でいいので、今回は見栄えの良い料理を撮影することを優先した。


 注文をして、しばし窓の外を流れる車を眺めていた。ここの料理は安いので助かる。写真を撮るだけにわざわざ来る人は少ないだろうと思う。だから見た人が物珍しいと思ってくれればそれでいいかと思っていた。


 少しして料理が運ばれてきた。サラダと簡素なパスタだ。ハッキリ言って腹を満たすにはお世辞にも足りない。しかし今回は見栄をはるために来たものなので、ドカ盛りなど注文するわけにもいかないので覚悟の上だ。この時はコンビニでおにぎりを一二個買って追加で食べようかななどと思いながら運ばれてきた料理の写真をスマホで撮影し始めた。


 しかしそこで異変は起きた。何度撮影しても写真が白黒になるのだ。設定も確認したし、フィルタがかかっているわけでもない。試しに窓の外を撮影してみると普通に撮れた。どうしてか料理だけを撮影する時に白黒になってしまう。


 これで料理が白いクリームがたっぷりかかったパスタで無ければまだよかったのだが、料理が料理だけに、白黒になった時にほぼ白飛びするような写真になる。これではアップロードしても見た人が何の写真なのか分からないくらいだ。これではどうしようも無いので、さっさとあまり多くない量の料理を胃に収めて昼休みが終わる前にコンビニで買ったおにぎりを食べて、お昼の仕事に戻った。


 ようやくやることが終わり、帰宅することになったのだが、お昼に寄った料理屋にパトカーが止まっているのが見えた。興味を持った彼女はそこに近づいていくと、警察は事故の検証をしていることが分かった。事故が起きた場所は自分が座っていた席で、そこに車が突っ込んで泊まっていた。


 後日、そこでアクセルとブレーキの踏み間違いがあったと知ったのだが、白黒写真が撮れたせいで事故が起きたのか、あるいは白黒写真は事故を警告していたのか、どちらなのかは分からないが、少なくとも偶然ではないだろうとは彼女の談だ。

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