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日本怪奇譚集  作者: にとろ


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友達だったもの

 Rさんには親友だった人が一人だけいた。彼はその人の影響で友人を作らないようになったと言う、その原因を伺った。


「悪いやつじゃなかったんですが、馬が合わないとでも言えば良いんでしょうかね」


 そう言い、重い口から話をしていただいた。


 そうですね、Bとしておきましょうか、ソイツは中学校に上がったときにであったんですが、なかなかいいヤツでしたよ。初対面でいきなりなれなれしいヤツだと思いましたが、そういうやつだと思えばいいヤツでした。


 しかし、あれは卒業が見えてきた頃でしたね。中学を卒業すると別の高校に進学することになりましたから、最後にファミレスでまた会おうなんて話をしたんです。


 そうして一人で高校に進学したんですよ。Bから連絡はありませんでした、そういうものだと割り切ったんですが、それにしても薄情なんじゃないかと思いましたが、こちらから前に電話をしたときには迷惑そうな対応をされたので高校に入るってそういうことなのだろうと思ってました。


 一人でも高校では不自由しませんでしたよ、話し相手くらいはいましたし、高校にもなると一人でいてもそれをそれなりに尊重してくれますから。


 そんな時にクラスのチャットグループに一つの話が飛んできたんです。なんでも『呪いの儀式をしている奴が近所にいる』って噂から始まったんです。


 見た奴もそれなりに出ましてね、なんでも近所の寺で特定の墓の前に対象の写真の顔を焼いた写真を置いていくらしいんですよ。するとその相手に不幸が起きるそうです。その墓はなんでも昔、無惨な死に方をした人の墓らしいんです。


 俺も気にしてはいなかったんですが、たまたま墓の近くのコンビニに寄ることがありまして、ちょうどお盆の時期だったので墓参りでもしていくかって思ったんですよ。


 それで特にお供えがあるわけではないんですが、先祖に顔くらい見せてやろうと思って家の墓の所へ行ったんです。その途中でBに久しぶりに会ったんです。なんだかアイツ、高校に入ってから別人みたいに痩せてるなって印象でした。なんならBって気づかなかったかもしれないですから。


「おう、久しぶり」


 と挨拶したんですが、アイツは気がついていない風に無言で俺の事を見もせずに通りすぎていったんです。寂しさもありましたがね、そういうものかと思いました。


 で、実家の墓の前に来たわけですが……あったんですよ、顔面の部分を黒く子がした写真がね。噂は本当だったとかそういう問題じゃないんですよ。なにが問題ってその墓って俺の実家の墓なんですよね。


 あの、怪談に詳しいらしいですがあの辺で何か悪名高い人間の幽霊とかたたりの話って知りませんか?


 私はその質問には答えられなかった。そして彼は理由は言わなかったが、その呪いを行っているのが親友のOだろうと確信しているらしい。高校で何があったかは知らないが、その程度の確信は持てるほどの関係だという。

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