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戦場と走馬灯

「リラダン総長」「グランドマスター」激戦の中で彼を呼ぶ声

剣がぶつかる音 悲鳴がまだ聞こえる。


リラダン総長の意識が混濁してゆく それは走馬灯のようだった。

血が流れる リラダン総長の体から血が流れてゆく‥


懐かしい故郷 南欧のフランス

菫の祭りには 甘いすみれの砂糖菓子にそれから‥


同じ騎士階級の次男坊だったヴァレッタ隊長 

ジャンとフリップ

互いのファーストネームで呼び合った日々に 本拠地のロドス島の陥落後も

騎士団を率いる総長・グランドマスターとして

地中海のクレタ島などを仮の基地として それでも戦った日々‥


薔薇のように美しく豊っただったロドス島

古代ギリシャの伝承と遺跡が多く残る島


赤いワイン‥自分の血と同じ色


お気に入りの年代物のワインだが、隠していたはずの棚にはなくて

あれはジャン、ヴァレッタ隊長か

子ネズミの吟遊詩人で魔物のシオンめが飲んでしまったに違いない

ひさしぶりに手に入ったすみれの砂糖菓子も

フランスのマカロンもあったのに ブルーチーズに それから‥


この先 世界は‥

騎士団はどうなってゆくのだろうか? 

神のしもべたる 我ら騎士団 誰かが引き継ぎ それから‥


「しっかりしてください総長!」騎士たちの声が聞こえる



一方、マルタ島でも未亡人のフランソワーズが

義理の兄であり、愛しい恋人のことを想っていたのだった。

「私の兄さま どうか ご無事で‥」瞳には涙が浮かぶ 手を組み合わせて神に祈る。






 

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