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マルタ島の病院 一人の老人
マルタ騎士団の施政院、病院の中庭で老人はため息をつく。
イベリア半島
カステーリア王国の女王とアラゴンの王との婚姻に
レコンキスタ|《国土回復運動の戦い》でイスラムの王国は滅び去った
スペインの誕生
動乱と疫病で混乱していた頃
人々は私達ユダヤ人を…多くが殺されていったのだ。
そう‥
私がまだ二十代だったあの時に
私が出会った 美しい少女サラ
貴族の老夫婦が孤児だったサラを救い養女に
彼女の家庭教師として私は長く傍にいて‥楽しい時間を過ごし、それから
動乱の中でサラは燃え上がる屋敷にとり残され‥私は助ける事が出来なかった。
先程出会ったサラによく似た少年、吟遊詩人は何者だろうか?
「あの、お爺様 どうかなさったの?」マーニャ
忙しく看護師として走り廻るマーニャは 彼に気がつき声をかけた
「ああ、マーニャすまない今日は滞在先の屋敷に帰るよ また来るからね」
少し青ざめた表情で彼は言う
「わかりましたわ お気をつけて」マーニャ
彼が立ち去り
「ああ、そうだった 先程の吟遊詩人さんと妹のサラさんが来てるから
お茶とお菓子をお持ちしなくては‥ヴァレッタ隊長のお部屋で待っているわね」
マーニャはそう呟いた。




