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シオンの呟き 青い瞳
大昔の巡礼者の姿をしたシオン 彼はそっと思い出していた
「僕は随分と長い時を生きた 後どれくらいこうしているのだろうか?」
そうして僕らの魂は天国には‥‥
切ない想いが溢れだす
「ヴァレッタ様は あの時の事を思い出してくれるだろうか?」
自嘲的な笑みが浮かび 微かな涙であった 青い瞳には涙
あの美しい南欧の中で出会ったのは‥
ヴァレッタ様はまだ10歳前後だっただろうか?
僕の髪に青い瞳が綺麗だと‥ 素敵な歌とリュートの音楽だと褒めてくれた
南欧の貴族の幼い少年
随分な年寄りと皮肉交じりに笑うだろうか?




