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戦いと…追憶のロドス島 白亜のリンドス

いつも通りの海上での戦い 此処 マルタ島は前哨基地

海上での巡回中

海賊に襲われている最中の船 私達の騎士団の船が乗り込んで 海賊と戦う


ギリシャの火(初期の火炎瓶)を投げ込んだ後で船に乗り込む

剣が音を立ててぶつかり合い 

にぶい音 唸るような風音と共に大斧が振るわれて 悲鳴と共に

そこには裂かれた身体


火縄銃での打ち合いの音も…


血塗れの甲板で ヴァレッタ隊長が赤く染まった剣を振るい 血を拭い去る

「怪我人の手当を それから船の被害者 生き残っている者達の確認・・」

戦いが済んだばかりだが 次々と指示を出す


「今回も赤ひげの海賊ではなかったか」

口元を歪ませ 暗い眼差しを見せたヴァレッタ隊長


数時間後 うとうとと船の揺れに任せ 彼は眠気に襲われる

記憶を辿る それはロドス島にリンドス村


いにしえの古代の遺跡のある美しい豊穣の島 

古代に逢ったと言われる失われた太陽神ヘリオスの巨神の像 それにニケの彫像


2世紀もの間 ロドス島は聖ヨハネ騎士団の城であり基地だった

護りに厚い美しい街並みの城塞の街

オスマン帝国の猛襲で 流浪する事になった あの戦いとロドス島での記憶


美しい少女 あの少女は‥ 彼女は戦で 哀れな躯になり果てた


戦いの最中 すぐ隣の騎士 

敵からボウガンの矢が飛び その時に

彼の身体 私のすぐ横で吹っ飛ぶ その血が私の顔と私自身の身体にべったりと‥

「アンリ!」私は首が千切れた身体を抱き留めて彼の名を呼んで 

すぐ傍には兜をつけたままの彼の身体が・・


敵の円月剣にマスケット銃 火縄銃の火薬のにおい 血の匂い

飛び交う怒号に撃ち合う火縄銃 マスケット銃


ロドス島のリンドス村の少女 

騎士団の世話で村から私達の居城へ手伝いに来て騎士達は

皆 彼女に淡い想いを寄せたものだったのに

「ヴァレッタ様」

彼女は私の名を呼ぶ それは優しく甘い

白亜の砕けた古代ギリシャの遺跡の傍の 美しいあのリンドス村も

戦いに巻き込まれて そうして彼女は‥


頬に触れた冷たい手の指先の感触で目を覚ます

肩には薄い毛布

「ああ、すいません 起こしてしまいました」

それは魔物の吟遊詩人の声


だが服装は ロドス島 あの時の海戦で船を砕いた時のもの

大昔のローブを被った巡礼者の姿であった


「ではまた」そう言って彼の姿が消える











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