ギザのピラミッド すれ違う者
砂漠を渡る荷物を積んだラクダに乗った者達
ギザのピラミッドも行く手には見えている
「義父さま ピラミッドです」
まだ若い少年 間もなく青年かと思える者イヴァン
会話しながらも 大地の砂が舞う
「ああ、そうだイヴァン 良く此処には来るが
今回は仲間のハミドさん達がいない」ラクダに乗ったまま、眉をひそめて彼は答える
「マルタ島付近で商船ごと捕らえられたとか‥」
「身代金か白人奴隷たちとの引き換えの示談が上手くいけばよいが」「そうですね」
時に水筒の水を口にしながらの会話
「後でナツメヤシ(デーツ)の茶でも飲もうか 街に到着したら市場行かなくては」「はい」
そうしてナイル川では船に乗った者達が会話していた。
「まあ、あれがギザのピラミッド!」「そうですよマリア姫」ヴィクトリアンが笑う
そんな様子をリヒター修道僧が見ている
「マルコ様 イヴァン様に逢えるといいですね」「ええ」
「お茶を入れましょう トルココーヒーかミントテイ、それともチャイでも‥」
ヴィクトリアン
想う相手‥すれ違う者達がいた
ピラミッドを眺めながら 砂漠の中 商人達がラクダに乗って歩み行く
エジプトのカイロ それに砂漠地帯
大きなナイル川を分け隔て、生者の都市と悠久の歴史の王都がそこにある
ギザのピラミッド、それに古代の王ファラオ達が眠る場所
あの麗しき古代の最後の女王クレオパトラ七世の国
ナイル川に沿って歴代の王達が建設した都市も多数あって
紀元前より悠久の歴史多神教の国だったエジプトは
今では有数のイスラムの国で十字軍と激戦 渡り合った王国
十字軍と渡り合ったサラデインの国でもある




