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アレキサンドリアの港
エジプト アレキサンドリアの港での事である
乗り換えの予定の船が遅れているが‥そこに佇む二人の人物
「数日後の乗り換えの船
オスマン帝国行きの船ですが 本当にいいのですか?」
「これは行くなという 神か天使の啓示かも知れません」
心配そうにリヒター修道僧はマリアに問いかける
「リヒターさま 私は参ります マルコに逢いたいのです」
見つめる男装姿のマリアの瞳は真剣だった。
「あら、リヒター修道僧様 こんな処で会えますなんて うふふ」
メリハリのある美しい肢体の女 それに巻き毛の金の髪 整い過ぎた美しい顔
猫のような翠の瞳が印象的
「‥確か そなた?」「ヴィクトリアンですわ 偶然ですね」
「あらあら、可愛い少年、いえ少女ですね くすっ」
「初めまして ヴィクトリアンと申します 姫様」「あ、マリアです」
「市場での帰りですのよ」
笑顔でヴィクトリアンは買い出しの荷物などを見せるのだった
「美味しそうな御魚、それに素敵な小物に衣装」マリア
「そうか、そうだヴィクトリアン頼みがある
予定が遅れてしばらくの宿が必要でね」リヒター修道僧
「まあ、お任せくださいませ」




