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船の宴 女の嗜み

心地良い船の揺れ 波音の中 それは楽しそうな宴?かも知れない 

そこは特別な船室

「いつもありがとうございます 本当に美味しいです」

「うん、そうだねシオンちゃん」二匹の綺麗な姿をした魔物たちが微笑む


でもって、その手は休めずに勝手に

人様の食事を当然のように食べまくっているのであった

「肉のケッペ 野菜に詰めたご飯が美味しいドルマ 

ひよこ豆料理 ペーストにしたホムス オクラのバーミヤ

揚げ物もいいです

ヨーグルトとチーズの料理 最近来たシリア人のコックの料理ですね」

「お菓子のマアムールに

甘いヨーグルトで煮込んだ肉入り餃子のシシバラク美味しいよ シオンちゃん」

「本当にありがとうございますウルグアリ様」シオンとサラの二人


「ああ、そうかよ 良かったな!」ウルグアリは口元を歪めつつ

サラに小皿に盛られて差し出された 自分の料理を口にするのだった


「まあまあ、先日はお助けしたではありませんか?」サラ

「そんな事もあったが」不服そうである とても不服そうであるウルグアリ


「危うく、嫉妬したお仲間の不意打ちで 戦いの騒ぎに紛れて

殺されかけたじゃないですか?」シオン 

「うんうん、そうそう」コクコクと頷くサラ 

しかし二人とも手は休めない 美味な料理を食べていた


「今回はお土産もあります ワインに蜂蜜酒ですよ」

微笑むシオンから数本のワインを差し出される


「むっ」とても上質なワイン それもイタリアとフランス産であった

表情が緩むウルグアリ

それから手にしたワインを片手に一言

「お前たちは スレイマン大帝様に俺の味方になる気はないのか?」

ウルグアリの言葉にシオン達は‥サラとシオンは互いの瞳を見てから


「可能な範囲ではウルグアリ様にお味方してますよ 

でも、僕らは騎士団には恩義がありますので スレイマン様には無理です

それで良いなら‥ですね」シオン 青の瞳が一舜の束の間 金色の瞳に変わるシオン


「ああ、いい物がある!」突然、声を上げるサラ

「この部屋の奥にある小箱 有名なアレッポの石鹸とエジプトの香油、それから‥」

サラの喜びように 肩をすくめてウルグアリは答えた

「ああ、知人の土産だが ワイン‥酒の礼に分けてやろうか?」

「わああい」サラ


「石鹸が10個に香油と・・これだな」「きゃああ!」嬉しそうなサラ


「あ‥」それを見て赤くなるシオン

「見て見てシオンちゃん 絹の綺麗な刺繍入りのカボチャパンツよ!」サラ


「さ、サラ‥僕はその‥女物の下着」

「シオンちゃん数枚貰ったから シオンちゃんもいる?」

見せびらかしながらサラ


「…・ヴィクトリアンに僕はいいから」シオン

「下着は女の子の嗜みなのよ だからシオンちゃんもおお」「さ、サラ」


賑やかな見た目は綺麗な二人の少年と少女の魔物


故郷のイタリア語を話す二人、トルコ語で話す事もあるが

騒ぐ二人がいる事が段々と心地良く楽しい気分になっている事に

まだ気が付かないウルグアリ

奴隷として浚われて 時に孤独な時間が多かった彼には









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