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サラと海賊と黒い鳥 それに導師
リヒター修道僧にマーニヤ達は蒼白になり、襲い来る海賊達をなすすべもなく
目を見開き見ていた
青い瞳を吊り上げ、サラは彼等を睨み 何かの言葉を口にした
黒い鳥達が敵に向かい攻撃をしてくる
「ぎゃああ!」「ひいい!」
ターバンのような帽子が甲板に落ち、頭を血塗れに染めて、悲鳴を上げていた
身なりの良い、どうやら海賊ではない者が
コーランの文言を早口で叫ぶように言うと黒い鳥達の攻撃が止まって
鳥達は呪縛が解けたように青の空へと飛び去ってしまった。
サラの呪縛を破った者 イスラムの導師、魔物退治の者らしい
「どうしたのだ?」リヒター修道僧が問いかける
導師を見るばかり、睨むばかりで身動きの取れないサラ
そうしてイスラムの導師は
魔物の少女サラ、それにリヒター修道僧をあざけるように見ていた。
「これで終わりだな・・魔物
それにしても同じ啓典の民が魔物を庇うとは・・」
廻りには剣を構えた海賊達、他にも矢を構えた者
銀のナイフを手にとどめを刺そうと導師は歩み寄る。




