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青の海の波紋と狼
ザザッ波打つ浜辺で
海の水に足を降ろすシオン 水の上を歩く、円形に水が広がる
海の上に水の弾く音と共に波紋を描いてゆく
だが、シオンの足は水の中に沈む事なくまるで、地面の上を歩くようだった。
やがて勢いよく水の上、美しい青の海の上で‥
その上を水飛沫と波紋を描きながら勢いよく駆けてゆく
こちらは麗しい寡婦フランソワーズ
しばらく狼に船頭される形でロバに乗ってゆく
「お母さま」「フランソワーズ!」幼い子供と騎士団の男
「まあ、兄さま リシャール」
義理の兄アンジェロ・ド・オランジェヌ騎士に
フランソワーズの幼い子供リシャール
だが、狼の姿を見るなりアンジェロは剣に手を置く
しかし、従順な狼は迎えが来たので加えていた紐を口から離して
振り返る事なく去って行く
軽くため息をつくアンジェロ・ド・オランジェヌ騎士
「今のは一体?」オランジュ騎士「うふふっ」フランソワーズ
見つめ合う二人の瞳 それは義妹に義兄に対するものでなく、恋する者の瞳だった。




