ゴソ島とリヒター修道僧の船 ゴソ島にいる看護師マーニヤ
リヒター達一行が乗ったガレー船は ゴソ島付近を航行中だった
「ゴソ島で黒い煙が上がっているぞ!」「何だと」
ゴソ島では海賊達が攻撃をかけて略奪を初めていた
船上の者達にも 煙の嫌な臭いに 人々の悲鳴が聞こえている。
不味い事に海賊船の一隻が リヒター修道僧の船へと向かって来た。
「まずいぞ!」「あちらの動きが早い!」
船員たちも声を上げて、逃げ出そうとしていたが・・
海賊船がついに追いついて、襲い掛かってくる
ゴソ島で逃げ惑う人々の中に 愛らしい少女
家族たちと共に改教したユダヤ人少女マーニャ
彼女はゴソ島にある
療養所の手伝いでマルタ島から近隣のゴソ島に来ていたのだった
「こ、怖い 誰か助けて」
襲い来る者達は容赦なく、剣を振るい獲物になりそうな者達を捕まえている。
そうして
泣きながら黒煙と混乱に包まれた村を逃げ惑うマーニャ
「ぎゃああ」「きゃああ 助けて!」村人たちの絶叫
頭に浮かんだのは あの時の港で逢った 優しいマルタ騎士団の一人
ちょっとした会話 彼の笑顔
「騎士団の役割は困ってる人達を助ける事だよ 君も同じだね」「そ、そんな」
「ああ、神様」逃げ惑うマーニャの手にした籠が滑り落ちる
「あ・・」
籠には 先日、出会ったばかりのマルタ騎士団の一人に
貰ったお菓子のクッキーが入っていたのだが
グシャリ 目の間に現れた海賊の一人がクッキーを踏みつぶした。
「・・ひっ」マーニャは小さく声を上げる。




