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お菓子の欠片とデーツ(なつめやし)とサンザシ

雨の激しさは幾分か和らいだが

・・まだ、雨音あまおとが夜の静寂の中で音を立てていた。


「シオンちゃんたら・・濡れてるでしょ!

何、悲壮感を漂わせて~~駄目じゃない もう~~~」その声、少女の声だった。


「えっ?」驚き、それから振り返るシオン


バサッと頭から雨除けのフードを被せられるシオン


「・・サラ」シオン 

「はい、サラですよおお うふふっ」シオンと それは、よく似た顔の美少女サラ

性格には かなり問題があるサラである・・。

・・・問題あり


なお、雨の中で サラの方は雨除けのフードで完全防備していた。


「さあ、濡れちゃうから雨宿り出来る処へ 乾いた布と   

それから、後で宿か民家に宿を‥」サラがシオンの手を引っ張る。


「あ・・うん、サラ 有難う」シオン「うふふ」サラ 

そうして近くの岩陰で休む二人


「デーツ(なつめやし)とかのお土産だけどね」

遠いオスマン帝国から帰ったばかりの‥サラの一言


「ええっ!!あるの」驚いたシオンが聞くと・・

 

「うん!あった!」と元気よくサラが答える。

…残念ながら、過去形であった。


「・・・・・・」「どうしたのシオン?」


「また、食べたんだ 僕のお土産・・リクエストした食べ物 しくしく」

哀しそうに涙ぐむシオン


「うん、よくある事よ、当然じゃない えっへん!」何故か、とても偉そうなサラ


「・・・・・・」涙ぐむシオン ポロリと涙の雫

「うふふ、本当はあるよ」サラは悪戯っ子の笑みで答えた。


「口を開けて」「えっ?」

次にはシオンの口にほおり込まれる 物体があった。


「・・・あ、甘い」シオン


「なんとクレタ島のキャラメル 

古代の時代にキャラメルが生まれた処からのものおおっ」サラ


「美味しい・・うふ」ちょっと幸せそうなシオン


「はい、あ~~ん」

だが、サラの手から差し出されたキャラメルには しっかりと歯型がついている!!


「・・・歯型」「そうよ!サラちゃんの歯の型!!」

「クッキーも有るけど、かじったの!歯型つきなの!」


「かじったんだ」シオン 泣きそう。

「ええ、そうなの!」本当に嬉しそうで、偉そうなサラ


「ほら、元気だすの! 中国のサンザシのお菓子もあるから」

「オスマン帝国は交易が盛んだから、遠い中国からも入ってくるの!」サラ


「・・・・・・」「どうしたの?」サラが問う


「ほとんど、欠片だね それにサラの歯型」シオン

「ええ、そうなのよ 気にしないで」優しそうに微笑むサラ


「ほとんど、食べたんだ・・しくしく」「男の子は泣かないの!」


口にほおり込まれる もぐもぐ

「美味しい?」「うん」サラの言葉に逆らえずに 頷くシオン


「大丈夫、食べてないのも沢山あるから!!」「えええ!!」


「それにサンザシのお酒と金木犀きんもくせいの花のお酒まである!!」サラ


「えええっ!!」頬が赤く染まり嬉しさと驚きのあまり、倒れそうなシオン 


「御顔とか・・まずはちょっと拭いてね 着がえの服とかは あったかな」サラ 

シオンに ちょっと優しくしてあげたようだった。


とりあえずシオンは そうして無事に回復したようだったが おそらくは・・





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