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ボスポラス海峡の見える窓辺

オスマン帝国の都 その街の中 豪奢な屋敷、柱の隅で二人の娘たちが笑いさざめく

「では、またサラ様」「ええ、後で」


フランスの貴族が オスマン帝国の都コンスタンチンノーブルの一等地で

お茶をしながら まったりとくつろぐ

窓辺からは

東西を隔てるボスポラス海峡に 異国情緒溢れたモスク、街の喧騒が良く見渡せた


「ふむ、悪くない」「そうですね ムッシュ」

ヴェネチアの商人もまた 

ペルシャ絨毯に沢山の柔らかなクッションが沢山、置かれた部屋で

くつろいでいた


「ミント・テイもスパイシーな食事に甘い菓子にもよくあう 

さっぱりとして口当たりがいい」

「はい」「水パイプも良いものだ」


「海も陸も 交易路はほぼ全てオスマン帝国が掌握している」

「アラブの諸国も多くが支配下か影響下にあるな」

「それに 人々が渇仰する イエルサレムもまた・・」

水パイプからふわりと煙を吐き出す


「対峙している キリスト教世界 

法王 それにハプスブルグ系の王達 スペインにオーストリアか」


「イスラムの海賊の被害は甚大 イタリアの都市国家群もまた・・

しかし、同時に商人達にとって 重要な貿易相手ともなる」


「香辛料なども喉から手が欲しいものばかりですから」

「ふふ、しかし 新しい海の交易路も開かれて、東洋のアジアとも

交易が盛んとなってゆくか」


「そうですね」

美しい細工のグラスに赤いワインが注がれ それを互いに口に含む


「ハプスブルグ家とフランス王家の対立は根深い 

それにプロテスタントとの宗教戦争もまた・・」


「もろい硝子細工のように 簡単に砕け散る ひと時の平和ですね」「ああ」


金の髪をした娘が 酒を運んできた

「旦那様」「ああ、頂くかな」


酒を注いだ後 好色そうな男達の視線に 笑みを浮かべ

娘が立ち去る

「あれは 奴隷ですか?」「いや、違うが・・実にいい身体に 金の髪 緑色の瞳」


廊下を歩く その金の髪をした娘に 透き通るような声で 呼びかける少女

黒髪に青い瞳 


「ヴィクトリアン」

呼ばれて振り返る金の髪の娘


「シャラ、いえサラ様」「うふふ ヴィクトリアン」


二人の口元から 小さな牙が見えた





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