マルタ島 吟遊詩人
ヴァレッタ騎士は 長い黒髪の吟遊詩人 姿は少年のシオンを見つめる
美しい姿の少年 魔物の少年
「ああ、もうすぐ 島に住む 貴族達に 現地人との話し合いですね」シオン
ほのかな淡いオレンジ 濃い蜂蜜色の岩に座り 微笑むシオン
「そうだな」ヴァレッタ騎士
「どちらも余所者は 好きではないだろうが」「そうですね」
「内地の者達は 奥地に城塞の街 海辺には よく海賊が攻めて来るから」
「イタリアの海岸都市は こちらも崖の上に街を造り 耐え忍んでいますから」
シオン
「ああ、本当に此処に住むなら かなり手を入れなくては
私としては 神聖皇帝、スペイン王の手駒になるのは反対だが
どうやら、そうなりそうだ」
「王侯諸国は 必ず、難しい難問を押し付けて来る
我らは 敵から か弱い民を守るのが仕事なのだから」
しばしの沈黙
「荒れ地が多く 水の不足、家畜は・・そう鶏や兎がいいだろう
連れて来るのも楽だ 道も整備か」
「リラダン総長は もう決めてしまったようにも見受けられる」
「また少しは僕も手を貸しますから うふふ」シオン
「・・あの時、ロドス島での戦いのように 海を走り敵の船に穴を開けるのか?」
「さて どうなるでしょうね」シオン




