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どうする?

 この世界にはポテンシアと呼ばれる個人の潜在能力が確認することが出来る。

 コレには習得した技術も反映されていく。


 自身の職業ジョブに適性があるかどうかが判断出来る。その基礎値が高ければ才能を秘めていて、低ければ才能が無い、となる。


 この天と地の女神、異種族、精霊、魔法、冒険者、ドラゴン、魔獣、魔族、魔神、そう言う世界だ。

 そんな世界の子供たち――正確には3歳、5歳、7歳と教会で洗礼を受けて、自身の先天性のポテンシア―― ジョブを知る事になるのだけれど、先天性ジョブとやりたい、なりたい職業、継ぐ職業が必ずしも一致することは無い。

 故に後天的に技術習得しなければならず、適性が無い為に苦労する。

 適応出来ずにドロップアウトしてしまう。

 

 ――天の女神による管理システムかぁ。


 先天性ジョブに従ってれば醜い嫉妬もなく、争いもない。それに反抗すれば苦しむ。心がけ荒む。果ては犯罪に走る。

 それを危険因子として聖騎士が排除する。


 ――だから、聖女や勇者に選ばれて召喚されたのだから、ありがたがれ、と。


 しかし、だ。


 ――わたしの称号は聖母なんだけどなぁ……。


 コレはコレでジョブに縛られている感じではあるんだけど、天の女神の管理下に無い感じがするのは何故か。

 

 ――判らないけれど、彼らの中で救世を齎す者としての最上位が聖女と勇者。聖母という称号は彼女たちの口からは出なかったのだけれど……。


 わたしはポテンシアを――称号を知りたいという彼女たちの要請を拒否した。

 拉致したこと。召喚術で人々を殺戮したこと。信用が出来ないことを理由に。


 わたしとしては元の国に戻りたかったけれど、テンプレが如く還す術が無いという。


 同じ数か倍以上の生贄を捧げれば戻れるのでは、と提案してみれば、顔面を蒼白にして拒まれた。


 ならば、出ていく、と告げると、女皇陛下がお戻りになるまで何卒、城に留まりくださいと必死になって、泣いて縋り付かれた。


 召喚拉致殺戮術は国際問題、外交問題、戦争になる。

 異世界の知識がこの世界の魔導具と合わさってどの様な兵器が生み出されるか、畏れたというのが正しいかな。


 ――スマホというこちらでは未知の道具。動画様々よね。


 戦闘機、戦車、様々な映像を一通り見せてみた結果、最上級の貴賓室へと案内された。


 トラブルが解決してようやく帰宅して、夜中に召喚され、完全無視の苛立ちもあり、あれこれと言の刃で斬りつけてはみたものの、此方の世界アストレーアと、この国クレイドル皇国の事も解らない内は帰還方法も探れない。


 言葉は通じているのは転移時に此方に齟齬がなく馴染む為に、弄られた影響だ。

 どうせなら知識もインストールしてくれたら良いものを。

 そうすれば――


「出て行くことが出来た――と思うのは早計よね」


 文字の読み書き。貨幣の有無。剣や魔法が在れば、ポテンシアの強弱レベル差も在る。


「何があっても、されても、抵抗出来ない……」


 ――詰んだわー。


 読み書きを学び、知識と力を得なければ身動き出来ない状態だ。


 不信感しか無い現状でこの城に居るのはかなりのストレスだ。


 頭の中で銃声の様な、またはクラッカーが鳴った様な音に意識が弾き飛ばされ、眼の前が真っ暗になった。


 

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