第七話 聖女と元バルタリ王国騎士団
「もし君たちさえ良ければこの王城で働いてもらえないだろうか?」
その出来事から次の日
私はウィリアム王国の聖女としてニコラウスとバニエルは騎士団の護衛専門の騎士へと就職した。
私がこんなにも早くこの国の聖女として働くことができたのは国王陛下とアラン王子の素早い対応のおかげだ
王様との謁見後私は「聖女」という身分が与えられ王城内に住むことも許された
それ以外にもびっくりするほどの褒美を貰ったのも言うまでもない
だが私はエイル王子から受けた酷い仕打ちのせいで王族不信になっていてワクワクよりも不安の方が大きかった
それもそうだろうあんな酷い仕打ちを受けては王族不信に陥るのも無理のない話なのである
「聖女様はやはり不安ですか?」
そう声を掛けてきたのは王様の命によりバルタリ騎士団からウィリアム王国護衛騎士としてジョブチェンジしたニコラウスだ
「はい・・・」
「大丈夫ですよ聖女様!エイル殿は男として最低なだけでアラン殿下や王はそのような酷い仕打ちはしませんから」
「・・・・・」
王族不信に陥るほどの酷い仕打ちを受けたのではそう簡単に心を開かない
それはニコラウスも気付いていた
「聖女様・・・・」
ニコラウスは知っていた・・・・アラン王子の本性を
「ニコラウス殿!其方だけに話がある」
「アラン殿下なんでしょうか?」
「イオリ殿についてなのだが・・・・単刀直入に言おう
イオリ殿は王族不信に陥ってないか?」
王族不信のことは一切喋ってないのだがアラン王子にはどうやらお見通しだったらしい
「はい・・・」
「そりゃあそうだろうな・・・あんな酷い仕打ちをあの若さで受けてはそうなるのも仕方がない・・・」
「自分もバルタリを守ってきた者としてとても恥ずかしいばかりです」
「
其方に提案・・・というかお願いがあるのだが・・・」
「アラン殿下・・・お願いというのは・・・?」
「私はエイル王子がやった酷い仕打ちを許すことができない
だから私がこの国の王子としてイオリ殿の王族不信を解きたいんだがそれを許してくれるだろうか・・・」
アラン王子はそう申し出た
だがさらに王族不信に陥らないかとても不安だった
何故なら普段からイオリは親しい者としか喋らないという特性があり控えめに言ってコミュニケーションに難がある性格だった
勿論アラン王子が嘘をついてるとは思えない
それはアラン王子の目を見ればわかるのだ
エイル王子と違いこの国の統治者としての覚悟と絶対にイオリに同じような仕打ちをさせないという覚悟を
「わかりました・・・但し条件があります」
「その条件を聞こう」
「イオリ様と王族の間で信用が生まれるまでは必ず私かバニエルのどちらかの護衛をつけさせて欲しいのです」
考えたくはないがもし同じようなことになったら今度こそ聖女様はもう元に戻れなくなるかもしれない
そう考えた上での条件だった
「当然の条件だな
代わり代わりで構わないのでどうかイオリ殿のことをお願いしたい」
その目に嘘や偽りはないそう確信し
「アラン殿下ありがとうございます!」
イオリと王族の間の不信感がなくなる日も近いのかもしれない
聖女様と騎士団を中心に書きましたがいかがだったでしょうか?
次回はレジスタンスマリアーノの抱く野望と何故50年でレジスタンスが現れたのかがわかります!
どうぞお楽しみに