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第十三話 聖結界

王都をデート中のイオリとアラン王子は市民に大人気のレストランで食事をとっていた。

しかし緊急事態を知らせる魔導装置による避難指示によりデートを中止し王城へ戻ると本来いないはずのスカイフィッシュドラゴンが王都へ向けて接近しているという。

果たしてイオリ達はどう対処するのだろうか

「王都上空にスカイフィッシュドラゴンが通過する可能性があります。

市民の方は直ちに屋内へ避難してください」


けたましいサイレント共に男性の拡声魔法により緊急事態を知らせている

普段平和そのものの王都でドラゴンが通過するということはこれまでの歴史の中でも事例がないため市民は大パニックに陥っていた。

その市民を搔き分けるように王城へ行くと既に騎士団が出撃の準備を進めていた。

「王子!ここは危険なので地下へお逃げください!」

「聖女様も急いでご準備ください」

ニコラウスがそう言い自室へ入ると既にバニエルとメイドが避難準備を進めていた。

「聖女様!ご無事で・・・」

メイドたちがイオリへ駆け寄り衣装ルームへと案内されていく

その間ニコラウスとバニエルはイオリの荷物で必要なものを数日分まとめ元の世界で使っていたリュックサックとバルタリ王国を出た際に使用した鞄へと詰め込む。

その後数日分の下着と衣装の準備を終えたイオリ達と共に王族等要人やその従者達が避難する地下シェルターへと急いだ。

既にアラン王子がおりその奥には騎士団の司令部が作戦指揮をとっていた。

「すごく暗いし湿っぽいけど少しの辛抱だ!共に頑張ろう」

そうアラン王子がいいイオリ達に割り当てられたスペースへ案内された。

「アラン王子・・・その・・・ドラゴンの予想通過時刻は・・・・」

イオリは心配なのかアラン王子へと質問した。

「偵察部隊によるとあと1時間程度で王都へ来ると思われるとのことだ」

「一時間・・・・」

イオリはアラン王子をまだ信頼しきっているわけではないがかといって自分を聖女として迎られ以前よりも好待遇でこの王城にいる今私自身にも聖女としての義務を果たすべきなんじゃないかという葛藤とまた以前のような仕打ちを受けるんじゃないかという恐怖がごちゃごちゃになり自分がどうすればいいのかわからなくなって泣いてしまった。

するとアラン王子はイオリを抱きしめた。

「イオリ・・・大丈夫だから・・・いざとなったらここにいる者たちが私たちを守ってくれる

だから---」

「違うんです!!!!!!

私は以前の王国で聖女として働いてた時に受けた暴力や暴言で王族をまだ信用できていないんです・・・

でも今は聖女としてこの王国を守る義務もあるのに自分のせいで王都に甚大な被害が出てしまったら私は・・・」

イオリは怖いのだ

それもドラゴンに対する恐怖ではなくまた以前のように結界を発動後用済みと言わんばかりに暴力や暴言を吐かれまた追放されるのではないかと

「確かにそんな仕打ちを受けていれば王族を信用できないという気持ちはまだあるだろうな

同時に聖女としてこの国を守る義務があるというのもまた事実だ

だがなすべての王族がバルタリ王国のように暴力や暴言をふるうものばかりではない

それは王族である私から言ったとしても信用してくれないかもしれないかもしれないが少しずつでいいだから---」

そう言うとアラン王子はイオリの頭を撫で

「まだ1時間もあるんだ・・・それにあくまで上空を通過する可能性があるという話で通過するとは決まったわけではないのだからゆっくりでいい

いつか信用してくれるように私も頑張るから聖女の()()だからこの国を守るのではなく()()()()()としてこの国を守って欲しい」

アラン王子はそう言うと騎士団の司令本部へといった

エイル王子ならこんなことがあったら高圧的な態度で

「早く結界を発動しろこのうすのろまが!!!」

と言いボコボコにサウンドバックの如く殴られていた

だがアラン王子は違う

一人の少女としてこの国を守って欲しいというエイル王子とは正反対な行動をとったのだ

「イオリ殿私も無理に結界を発動しなくてもいいと思います。

アラン王子も言っていたように義務だからではなくまずご自分の身をお守りください」

「ニコラウス・・・・」

その後刻一刻と時間が進んでいくにつれてドンドン指令部が焦り始めた

そう懸念していた通り王都へと接近しておりあと20分もしないうちに王都へ襲来するらしい

そんな中アラン王子は司令部へ指示を出したり偵察部隊からの報告を受ける姿があった

そして襲来10分前

いよいよ王都まであと数キロという時にアラン王子を信頼する決心がつく出来事が起こった

それは騎士団が迎撃をし追い返そうとしている時にスカイフィッシュドラゴンのドラゴンブレスで前線に大きな被害が出た

そして致命傷を負った兵士が出始め前線が不足してしまったのだ

患者は次々とここへ運ばれ治療を受けている

勿論私も治療手伝っていたのだが一人の騎士と王子がなにやら揉めている

「前線が手薄になっているという知らせを聞いた以上私が応援に行くという選択肢以外はない!!」

「お待ちください王子!!

王子の身になにかあっては私達騎士団として王や市民に顔向けできません!」

なんとアラン王子は前線へ赴こうとしていたのだ

もしエイル王子が同じ事態になってたら絶対に私へあたっていただろう

「ええい離せ!!市民になにかあっては私は王族としている資格などない!」

「!!!!」

市民のことを第一に考え自分の危険を顧みず命がけで守ろうとするその姿にイオリは決心した

「アラン王子!」

「イオリ殿まで止めるのか!」

「アラン王子のその姿を見て決心しました!

私が何とかします!」

「イオリ殿いいのか!?

だってまだ私達王族を信頼しきれてないだろう

なのに・・・」

「いいえ!王子が市民の事を考え自分自身の危険を承知の上で行くのであれば私にだって聖女としてこの国を市民を守る義務があります!

それに・・・」

「それに・・・!?」

「私は一連のやり取りを見て決心しました!

市民第一に行動するそのお姿をみてエイル・バルタリ王子と違うということに!」

「まさか・・・・」

「アラン王子・・・いいえアラン・ウィリアム殿下達王族を信用します!

なので私に結界を発動するためにどうかお力を貸してください!」

「聖女イオリ殿・・・

わかった是非手伝わせてくれ!」

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まずは現状の報告とこれまでの報告そして王都から10キロ地点までの詳細な地図を確認し聖結界を張るための確認を行った

これは時限式であればあまり詳細な地理情報を見なくてもいいのだが今回は違う

ウィリアム王国とその周辺の農村を確実に保護するために詳細な地形・高度などありとあらゆる情報が必要なのだ

本来であれば王国全体に張るべきなのだが今からでは遅すぎる

当然10キロ地点まででも膨大な情報量なので王国全体となると情報収集だけで最低3日以上かかるのだ

しかも地図だけではわからない部分もあるので実際に訪れる必要があることもある

「予想通過時刻まであと5分切りました!」

その知らせと同時に聖結界を発動する準備が終わった

「今から聖結界を発動します!」

そう言い私は祈りを込めた

「神よ聖霊よ我は望み聖霊の力を欲する!どうか我らに力をお貸しください

聖結界(ホーリーバリア)発動!!!」

そう唱えると神々しく光初め膜のようなものが王都から10キロ地点まで広がり始めた

それと同時にドラゴンはその聖なる力の加護によりこれ以上王都に近づくことができなくなり突破しようとしてもドラゴンに対しダメージが入ることがわかったのかスカイフィッシュドラゴンは慌てて逃げて行った。

これがイオリ・スズキ聖女としての最初の偉業であり後に市民が新たな聖女が誕生したという知らせが行くのであった。





え?呪文が某転○ラに似ているって?

勘の良い君には消えてもr・・・・

次回は魔王サイドと不思議な魔人のお話をお届けします。

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