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第十話 ワイバーン襲来[中編]

カニッシラ大森林で本来存在しないはずのワイバーンが突如現れ多数の怪我人が発生した

しかしそのワイバーンの襲来は何者かによって使役されたワイバーンが人間を襲っていると聖女様は判断した

果たして裏で糸を引く人物は一体誰でどんな理由があるのだろうか

「アラン王子!待ってください!

アラン王子自身や他の兵士がケガしないよう私も同行させてください!」


この時の私は妙な胸騒ぎがした

何故ならただならぬオーラを纏った人物とその周りに群がるワイバーンの気配を探知魔法でキャッチしたからだ

これは野生のワイバーンがたまたま襲来したのではなく悪意のある者がワイバーンを使役し襲わせているということをなんとなく感じ取ったのだ


「何を言っているんだ!そんなことをして君に怪我をさせてしまったら・・・」

「王子!これはただのワイバーンではありません!何者かによって使役されたワイバーンを使って人間を襲わせているのです!」

「なんだって!?」

「このままでは王都にも悪影響を及ぼしかねません!ですからどうか私も同行させてください!」


私は強い意志を持っている

もし「ダメだ」と言われても着いていく!

そういう意思を察したのかアラン王子は


「わかった・・・ただし絶対に一人行動をしないことと私かニコラウスのどちらかの後ろに必ずいてほしい!」

「わかりました!」


そういいアラン王子たちと同行し兵士がワイバーンと激戦を繰り広げている前線へと行くと

やはり何者かによって使役され自分の意志とは真逆で操られてるように攻撃をしていたのだ


「何とか使役を解除できそうなので下がってください!念のため結界も貼ります!」


そう言い私は一枚の聖結界を魔物と私たちの間に張り巡らせた

そして・・・


「辛いですよね・・・今解放してあげますからね!」


祈りを込めワイバーンを撫でるようにやさしい光を放つとワイバーンは急に我を思い出したかのようにどこかへと飛び立っていったのだ


「聖女はあらゆるモンスターや動物とも心を通わすことができるとは聞いていたがこれほどまでとは・・・」


あっけにとられるアラン王子とその兵士だがこうしている時間はない

何故なら使役したモンスターを強制開放すると使役した術者にも知られ次の行動を起こされる危険があるからだ


「この奥にワイバーンを使役した犯人がいます!急ぎましょう!」


私はそう言うと森の奥深くまで騎士達と共に歩んでいった

すると・・・


「これはこれは聖女様

1週間ぶりですね」

「この声は・・・エドアルドさん!?」


なんとバルタリ王国騎士団の団員だったのだ

しかし一体何故彼がいるのか私には見当がつかない

意を決してエドアルドさんに何故ここにいてこんなことをするのか聞いてみる


「何故エドアルドさんがここにいてなんでこんなことをしているのですか?」

「ふふふ・・・知りたいか?

なら教えてあげよう!聖女・・・・貴様を殺しにきたんだよ!!」

「!?」

「エドアルド!貴様は聖女様に向かってなんて失礼ないことを言っているんだ!」


バルタリ王国元副騎士団のニコラウスがそう言うと


「黙れ!黙れ!貴様は最早上司でもなんでもない!私にとって裏切り者でしかない!!!」


これほどまで私を恨むと言うことは何か裏がある

そう考えた私は


「何故私を殺したいのか理由を教えてください!」

「私はジョエル王を尊敬している!だが貴様が聖女として現れてからバルタリ王国はすっかり落ちぶれてしまった

かつての栄光もなければ日に日に国としての政治基盤は失われ貴族や騎士はどんどん離れていき最後には王を擁護する騎士や貴族以外全員去っていった・・・

最初から聖女という地位や職業がなければこの国はこれからも内部分裂も起きず発展していっただろう!

だが貴様のせいで全てが壊れた!そう言わざるを得ないのだよ!」


確かに昔のバルタリ王国は今とは比べ物にならないほど栄えていた

だが現在のバルタリ王国は王族を擁護する派閥と聖女を擁護する2派に分かれ聖女派が多くの割合を占めていた

それに危機感を感じた王は聖女を擁護する遺族は追放し多くの騎士は処刑された

そして私を追放し王族を擁護する派閥しか存在しない状態となり恐怖政治を敷いているのだ

これではかつての栄光どころか徐々に崩壊していくのは目に見えていたのだ

だがそれは全て私のせいだというのも違う話なのである

これは私達バルタリ王国の問題だ

アラン王子やこの国の騎士達を巻き込むわけにはいかない

そう考えニコラウスが剣を構えようとすると


「其方の言い分はわかった

だがな其方は一つ重要な間違いをしている

それは聖女であるイオリ殿に危害を加えているだけではなく私が一番大切にしているこの国の民を傷つけた・・・

どんな理由があれどやってはいけないことだ

其方は私の逆鱗に触れてしまった・・・手合わせをお願いできるだろうか!」


アラン王子が今までに見たことない殺気を放っている


「上等だよ!もし貴様が負けたら次は聖女を殺す!覚悟せい」


アラン王子にとっても私達にとっても負けられない戦いが今始まろうとしている

今回はワイバーンが使役している人物と理由がわかりました

次回はいよいよワイバーン襲来編後編を投稿します!

果たしてどちらが勝つか!

お楽しみに!

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