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ピヨピヨ童話集2  作者: レモン
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ピヨピヨ第十九話 ~応援してくれる人たち~

 アイリーンはシャーンとずっと一緒にいたくて幸せになりたかった。

 でもシャーンは二人で乗って船を沈没させる気にはなれなかった。

 この二人のすれ違う思い…

 ある時、アイリーンは夜空を見ながら『これからシャーンなしでどうやって生きていけばいいのだろう。』と思った。学校も一週間休んでしまった。

 そう考えている所に宇宙から声がした。

 「君ならできる。」

 とても低い声だった。

 「何がですか!?私はもう病気で彼氏もいないんですよ!」とアイリーンは嘆きながら叫ぶ。

 すると空は明るくなり、オレンジと黄色に染まった雲の上から神様がお顔を見せた。

 「あなたは愛に生きなさい。苦しい時は薬を。楽しい時は感謝の気持ちを。」

 「私にそんな『愛に生きる』なんて難しいことできません。助けてください!」

 「愛に生きなさい。勇気をもって、自信をもって。あなたなら乗り越えられるはず。」

 そういって神様は姿を消した。

 アイリーンのはじめての神様との対話だった。

 「でも、私は苦しんでいるんです!!」アイリーンは泣き叫んだ。

 すると、星達の声、つまり宇宙の声がまたして、

 「つらいのは君だけじゃない。君が苦しいのは良く分かるけど。」


 「サポートしてくれる人がいる限り、最善を尽くしてみよう!」

 「アイリーンの笑顔は世界を照らす。」

 「人を嫌いにならないで。」


 そんなメッセージが黄緑色の字で空にうつった。


 「私、つらいけど、がんばってみせます!」

 「神様、お星様、ありがとう!」


 とブルーの文字を空にうつした。


 「アイリーンの復活に乾杯!」


 と金の文字がうつり、空中で流れ星があちこちに飛んだ。


 ピヨピヨは現れてアイリーンの手を握った。

 「がんばれ。がんばるんだ、アイリーン!」

 「ありがとう、ピヨピヨ。」


 今は人口の半分程度がピヨアース星にうつった。SPSも開発され、火星移住も可能となり、オーダーメイド医療も可能である。

 時代はどんどん進歩していく。アイリーンもついていけるようにがんばりたい。

 結局人生というのは出会いだ。アイリーンは時代が変わっても、人というのはどんな時にでも温かくいてほしいと願った。

 そしてシャーンにこう言うと困るだろうけど、アイリーンにはシャーンしかいない。そんな風に感じられる。ずっとずっとずっと大好きだから。


 次の朝、アイリーンはピヨピヨと川沿いの芝生の上で話していた。

 「恋愛ってどうしてうまくいかないのだろう。」

 「それは難しい問題だね。」

 アイリーンは以前はコミュニケーションの研究に興味をもっていたが、今は相性の研究がしたいと思う。

 生まれ変わってもシャーンと恋人になりたいな。

 一人で歩くようになっても、宇多田ヒカルの歌詞「I hope that I have a place in your heart too.」と心でシャーンとつながっていたい。

 アイリーンはピヨピヨの前で泣く。

 ピヨピヨは、マジカル・ハンカチを貸してくれる。

 すると、涙が止まった。

 ピヨピヨは川沿いに咲いてる花を一つつんで、アイリーンに渡した。

 「このお花の絵でも描いて元気になって。」

 アイリーンはピヨピヨの優しさに感激した。


 さらにController of Destinyも心配して手紙をくれた。

 「Eileen, relax. Take it easy. Time will help you heal your broken heart. I know you’re sad, but try to enjoy the beautiful life you were gifted and keep looking forward.」


 アイリーンは、まず神様に祈り、次に星に祈り、ピヨピヨにはお花の絵とともに短いメッセージをつけた。


 「いつも支えてくれてありがとう。困った時にそばにいてくれてありがとう。私も強くなれるようにがんばります。」


 そして最後にController of Destinyに、


 「Thank you for your boundless kindness. I love my life, thanks to you, I love the people around me, thanks to you, I love everything that you have gifted me. I am thankful for all the events in my life, either good or bad, and I am thankful that you and the Lord have protected me through everything. I will keep looking forward, enjoy my life, make people happy and keep faith and hope for the future which we will all design together. Finally, thank you for your friendship. I love you too and I know that I will somehow make it with your love. Therefore, I won’t give up. I will never give up loving. And I won’t try too hard. I’ll just do all that I can. You are my light and hope. Please guide me the right way, now and forever.」


 シャーンと離れてしまうのは心が裂けそうな程苦しいが、アイリーンはがんばって学校を続けたいと思う。

 『私は一人で生きてる訳じゃない。皆一緒なんだ。』

 そう思い、アイリーンも少し心が安らかになれた。

 大好きな人を失っても生きていかなきゃいけない、そんな強さを人間は求められている。基本皆さみしがり屋。でも時々気づくのです。失っても失っても失いきれないものがある。それは今まで色んな人がくれたたくさんの愛情だと。その愛情を勇気に変えて、また一歩踏み出したい。また学校に行って、アイリーンの根性の大きさを見せたい。そのために今日はもう寝ます。

 でも寝る前に三つだけ考えておきたいことがある。

 一つはアイリーンは幸せ者だということ。

 二つ目は皆に感謝したいということ。

 そして三つ目は、また明日も明後日もこれからもずっと皆にとって幸せな毎日が続くということ。

 永遠の幸せはなくても、永遠に続く愛はある。だからフロムの言うように「愛に生きよう」じゃないか。

 傷つけ合って、つらくて、もう二度と恋なんかしたくないと思った。でも周りにはすばらしい友達がいっぱいいるんです。彼氏がすべてじゃありません。

 言葉ではまとまらないので、この辺にしておきますが、とにかくアイリーンはシャーンのことも家族のことも友達のことも大好き。この「好き」という気持ちを大切にしたい。

 どうして皆こんな優しいんだろう。アイリーン泣いちゃうよ?

 人間に生まれてきてよかった。これからも人として、精一杯の花を咲かし、万華鏡の中身のようにキラキラ輝き、上にも同期にも下にもたくさん「大好き」な人をつくりたい。もう離さないとかずっと自分のものにすることはできないかもしれない。なぜなら「愛は所有できない」から。でも、とりあえず今は感謝して、一刻も早くrecoverすることです。アイリーンはがんばり屋です。

 ガンバレ、アイリーン!生きるんだ!負けるな!

 半開きから全開きの花になれるようにがんばります。

 皆から元気を頂いて、少し強くなれた気がするな。

 相変わらず夜は寝れないけど。でも何とかがんばる。

 chance, change, challenge

 今まで養ってきたものを使って、失ってしまったものも含めて自分の糧にしたい。そして新しい生き方、新しい人生を見つけていきたい。

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