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ピヨピヨ童話集2  作者: レモン
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ピヨピヨ第十八話 ~最後の愛のメッセージ~

 フィリップ、アナベラ、カナ、ジム、ミシェル、マークは高校生になる。

 フィリップとアナベラは相変わらずラブラブだがカナとマーク、ジムとミシェルの間でも恋愛感情が芽生え始める。

 子供サミットは年齢層が広がる。皆地球を良くしたいと願う。一方無関心な人、無礼な人もいる。

 インチキばあちゃんはそういう人達に対して、「最近の若者はね、目標がはっきりしておらんのじゃ。人の目標が周りの人を幸せにすることならその目標に向かって真っすぐに進めばいいのじゃ。それなのに遠回りして互いを傷つけ全く意味のない苦痛を作り出している。これじゃいかんのじゃ」と演説する。

 ピヨ星のピヨピヨとピーコの間の子ベイビーピヨも大きくなりピヨピヨJr.となる。三人は地球にいる友達の家にホームステイしたりして、地球を満喫した。ピヨピヨJr.は特に元気いっぱいで、フィリップ達とよく遊んだ。

 ピヨピヨJr.やフィリップ達は、手をつないで円になった。すると円の中心からどわ~っと光が出た。

 ピヨピヨJr.のおかげで地球は変わった。地球を包む丸い光ができた。その光は色を変えていく。金、ピンク、緑、紫…

 皆これを見て、magicのすばらしさに感動した。

 ピヨピヨJr.は空に手をかざした。すると、手の中に光が集まった。

 「えいっ!」ピヨピヨJr.はその光を空へ投げた。すると、ある星がその光をキャッチして赤色に輝いた。

 「僕もやってみる。」とフィリップは言い、同じようにして光を集めて投げると、ある星は黄色に輝いた。

 こうして空全体がカラフルになり、さらに人々の魂は雲の上の楽園へとのぼっていった。

 「皆で夢を見ようじゃないか!」とピヨピヨJr.は言う。

 ピヨピヨJr.はmagic wandをもって、さらに楽園を照らしていった。音楽と踊り、feast and luxury、宝石…

 フィリップとアナベラ、カナとマーク、ジムとミシェルは踊ったり、食べたり、話したりしてさらに仲を深めた。

 ピヨピヨJr.はこの六人の様子を笑顔で、それでもちょっと寂しげな顔をして見ていた。するとピヨピヨJr.のところにピヨピヨJr.の母ピーコによく似たピヨ星人が照れくさそうに寄ってきて、「私、ピヨチッチ。よろしくね。」と言ってきた。ピヨピヨJr.は満面の笑顔で「うん、よろしく!」と言った。二人は踊り始めた。

 ピヨピヨとピーコは仲良くワインを飲んでいた。「うちのピヨピヨJr.も大きくなったね。」

 アイリーンも皆が幸せそうで嬉しかった。しかし、これはあくまで空想の世界。今まで夢が現実に打ち勝ったことなんてあったっけ?

 楽園の明かりは消え、皆地上へ戻った。

 結局アイリーンが全部悪いんだ。永遠に続く幸せなんてない。

 アイリーンもシャーンと出会った時は幸せだった。でも別れる時はすごく寂しかった。

 地球には重い空気が漂い始めた。

 子供サミットは再度集まったが、要はアイリーンの気分が上がるか下がるかの問題。僕達にできることって本当に小さいのかもしれないと皆思った。

 ピヨピヨ、ピーコ、ピヨピヨJr.、ピヨチッチはピヨ星へ戻ることにした。アイリーンもピヨ星までついていくことにした。

 しばらく癒され、マリン星でたこやかばとも会い、モジと一緒にコントロール星に向かった。

 「I don’t like how things are right now. How can I change it?」とアイリーンは聞く。

 Controller of Destinyは答えなかった。

 仕方なくピヨ星へ戻り、うさぎ家に泊まらせてもらった。でも苛立ちは増すのみであった。

 『どうして世界はutopiaじゃないの?』とアイリーンは疑問に思った。

 ペインターうさぎ達にお礼を言い、地球に戻った。

 アイリーンの声は小さすぎる。

 だから誰にも届かない。

 アイリーンは人間恐怖症になりかけている。

 しばらくはこの悲しみに沈んでいよう。

 すると空にピヨ星からのメッセージが赤い光で現れた。

 「元気を出して!」

 アイリーンは同じ方法で「ありがとう!」のメッセージを送った。

 『私が全て悪い訳じゃない。きっとがんばっていれば何かいいことある。なかったとしても、私の生きた証を残したい!』

 その時、窓が開き、一通の手紙が飛んできた。Controller of Destinyからだった。

 「I’m sorry I couldn’t say anything to you when you visited me. You seemed so upset that I was at loss for words. But please keep thinking positively. I love you. Everyone loves you. Sure there may be days when you want to cry. I understand. But there’s not much else I can do for you other than praying and wishing you the best. Still, I will listen to whatever you have to say, so you can come any time you want.」

 アイリーンはさらに嬉しかった。こんなにたくさんの人が応援してくれてるなんて!

 うまくいくかどうかはわからないけど、やってみよう。何でもやってみよう。

 アイリーンの力は確かに弱い。でも弱さの中にも強さはあるし、弱いからこそ弱い人の気持ちがわかるんじゃないか。

 苦しくても生きていかなきゃいけない。苦しいと感じなければいい。

 何も強制なんてない。気楽に生きよう。

 バナナやケーキを食べながら、お日様の下でパラソル立てて、カクテル飲みながら読書することの何が悪い?

 本当に神様やController of Destinyに聞きたいよ、どうすればいいのか。

 でもきっと答えは一つ。「自分の一番いいと思うことをしなさい。」

 流されるだけが正義じゃない。

 皆を幸せにしたいという気持ちは強い。

 だから、地球人もピヨ星人もどちらも住める星、すなわちピヨアース星をつくって、皆を幸せにすればいいんだ。

 新規に星をつくろう!

 そのためにピヨピヨJr.達やController of Destinyの力を借りよう!

 十日程でその星はできた。しかし、住人はアイリーンとピヨピヨJr.とピヨチッチの三人。他の人達や生き物達はまだ移るのに抵抗があるようだ。

 そこでアイリーンはピヨアース星の素晴らしさを皆に伝えようとした。

 まず一つ目が、自由に好きなように過ごせること。二つ目が面倒くさいことはないこと。三つ目はdiversity(多様性)があることである。

 最初は誰も聞いてくれない。それでもアイリーンはあきらめない。

 子供サミットのマークのチームは一生懸命ピヨアース星の設備の整理をしてくれた。また、地球からピヨアース星、ピヨ星への鉄道の整備はケンジという男の子とその友達に任せた。さらに、広報はヒロミとその友達に任せた。カナも担当外でありながらピヨアース星の設備をつくるのを手伝った。

 さらにセントラル・スターもつくって、ここにはピヨ星人、地球人、マリン星人、コントロール星人皆が行けるようにした。

 星達は光のサインを出し合い、セントラル・スターでそれがまとめられて、宇宙という大画面に愛のメッセージが綴られるようになった。

 「I love you.」

 「I love you too.」

 「Let’s stay together forever.」

 「Yes, let’s be together forever.」

 「I’ll never let you go.」

 「I’ll never give up on you.」

 「You are my soul mate.」

 「You are my partner of life.」

 また、

 「I feel lonely.」

 「So do I.」

 「My heart is broken.」

 「I lost my love.」

 「But I’ll live strongly」

 「Even though my heart still belongs to you.」

 アイリーンは二つの悲しい詩を思いついたので、それもメッセージとして空にうつした。

 Roses are not always red

 And the sky is not always blue

 My spirit is dead

 And so my dream will never come true


 I Lost My Other Part


 The night I lost you

 I lost my other part

 My heart aches for you

 There’s a big hole in my heart


 I loved you with all my heart

 But sometimes love is not enough

 Now we are two different people apart

 I feel so sad and lost


 So I lost almost half of my heart

 How am I supposed to live without you?

 Please come back…

 But if you can’t, I’ll survive anyway


 For the other half of my heart still beats achingly


 これで世界中がアイリーンの悲しみを知った。

 でも喜びも悲しみも全て含めて人生。涙があふれ、虹があらわれ、また笑顔になり、サニーが輝く。

 今はしばらく学校休まなくちゃダメなんだ。悲しいけど。

 でもいずれ立ち直るでしょう。

 そんな希望をもちながらも今日も涙を流してしまうアイリーン。でも涙はアイリーンのものだけじゃない。この世界中の苦しみ、涙を喜び、愛の花に変えられる日が来るまで。アイリーンの旅もまだまだ続く。そして決して一人じゃない。いつまでも輝き続けておくれ、愛しい人よ。アイリーンは思う。『私は愛のメッセージを絶やさない。Because my heart still belongs to you.』

 どうすればいいのだろう…

 まぁ恋愛には色んな形がある。アイリーンだけが経験者じゃない。

 そうやってアイリーンは自分を励まし、他人からも励まされて生きている。どうかこれ以上自分を苦しめないで。

 もう一度でいいからシャーンと話したい。『シャーンは愛から冷めたかもしれないけど、私は全く冷めてないのよ…』

 アナベラとフィリップのように長く続くカップルはうらやましいですね。

 でもshort and sweet。それで我慢しなくちゃいけないのかな。

 I miss you, Sean. And I will always love you. As long as my heart still beats…

 これがアイリーンの最後の、そして永遠の愛のメッセージ。

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