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ピヨピヨ童話集2  作者: レモン
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ピヨピヨ第十五話 ~復活する愛~

 幸せは広がるもの。

 一度消えたと思ってもまた復活することもあるから。

 ここで、あるお話を紹介しよう。


 『バレリーナと私』


 昔、あるところに一人のバレリーナがいました。

 彼女はずっと一人で練習をしたり落ち込んだりの日々を繰り返していました。

 そこへある男の人が彼女に寄り添ってきて言いました。

 「一緒に踊ろう!」

 二人で踊っている時間は時を超え宇宙を越える、そんな快感でした。

 これからも毎日一緒に踊れる、と彼女は嬉しくなりました。

 ところが、次の日彼の姿は消えていました。

 彼女は毎晩夢で彼のことを見るようになりました。

 

 そしてある日、ついに彼女はそのすばらしい男性と再会することができました。

 まぶしい日差しのこぼれる日でした。木漏れ日の下に彼は立っていました。

 彼女は彼に走り寄り、抱きついて言いました。

 「もう離れていかないで!私にはあなたが必要なの。あなたのことが好き!」

 彼は彼女を抱いて言いました。

 「もう離さないよ。だから安心して。いつまでもそばにいるから。」

 

 こうして二人は無事結ばれ、それからの運命をずっと共にすることができるようになりました。毎日楽しく歌いながら踊り、宇宙をどこまでも駆け抜けていきました。星の上でも、はるかなる空の上でも。時間の流れていくことなど気にせずに。こうして二人は永遠というものをつかむことができました。

 

 恋は出会った日に始まり、途切れることはあっても、永遠に続きます。彼女と彼は、星の光を浴び、宇宙というステージで踊り続けます。いつまでも、いつまでも。永遠の幸せを世界に与え続けます。はるかに遠く、でも近い場所で。実は今、この私の手のひらの上で、二人は踊っているのです。見つめ合って、幸せそうに。

 

 私は、手のひらの上の二人を見ながら思います。いつか私も二人のように幸せになれるといいな、と。

 

 すると、私の肩の上に手が乗せられました。振り向くと、そこには優しそうな男の人が立っていて、「ぼくたちも一緒に踊ろう!」と言って手を差し出してくれました。

 私の顔はパッと明るくなり、「喜んで!」と言って彼の手をとりました。二人の顔からは笑顔がこぼれ、二人もまた永遠に満ちた世界に入っていくことができました。

 

 こうして、はじめに出会った二人は幸せをどんどん広めていきました。空を舞い、笑いながら、どんどん世界を明るくしていきます。世界はきっとこんな二人から生まれた、と思う人もいるでしょう。醜さも切なさも儚さも忘れ去られるぐらい、私たちには愛すべき人がいて、そんな人とめぐり合い幸せをつかむチャンスがあって、そこからくみ出される夢と希望があるのです。それを胸に、バレリーナも私もこれからも幸せに生き続けていくことでしょう。めでたしめでたし。


 他人事じゃない。

 いつかは必ず自分も出会う。

 そう信じよう。

 だから愛をあきらめないで。

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