ひなよつが紡ぐ世界
幾千の光り輝く星たちの絵本を手に今日も私だけの世界に浸って旅をする。
綺麗な景色も、美味しそうな食べ物も、素敵なあの人だって、この絵本があれば全て手に入る。
いつでも私を笑顔で迎え入れてくれる世界。嫌な事があった時、悲しい事があった時、嬉しい事があった日。いつでも私を包み込む。
私が望む世界には、悲しみに暮れる人はいなくて、それでも流れる涙は、誰かも想う優しい涙。
時間も忘れ、絵本の世界の楽しい旅行。そんな私を、絵本の中のあなたはどう思っているのかな?
あなたを連れ出すことが出来たなら、このひとり旅もきっと、もっと楽しくなるのに。
ふと気がつくと、現実の世界に引き戻される。夢のような時間旅行はあっという間に終わりが訪れる。
想いと思い出だけが、私とあなたを繋ぐこの世界で、明日笑顔になるために、今日はたくさん泣こう。
泣くだけ泣いたら別の世界が待っている。幾千の光り輝く星たちが笑顔になる魔法を私にかける。
全ての旅の終着点で、待ち合わせ。さぁ、旅はまだまだ続く──
菜須よつ葉様の発案で始まった、この【ひなよつ企画:五往復の贈り物】は、ふたりのやり取りの中から生まれました。
雰囲気のある、とっても素敵なお話が紡がれていますので、お読みになられた皆様の想像力で、この贈り物を補完していただければ嬉しいです。
そして、毎話どちらが書き出しを担当しているのかも合わせてお楽しみに──
ちなみに、今回の書き出しは……。
次話のあとがきにて正解発表!
それでは、“ひなよつ”からの贈り物をお受け取りください──