表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

好きでいていいですか?

私だって恋をする。

いくら不釣り合いって言われても。

どんなに似合わなって言われても。

私だって恋をする。


身長百五十八センチ。体重……六十◯キロ。

いわゆるな体型の私。



佐伯真奈実、十八歳。高校三年生。受験を控えています。夢はガラス工芸作家。

平凡な家庭に育ち、豊かなのは体型だけ。顔も丸顔の平均より下気味。

取り柄はない。


対する片想いの相手、五十嵐十夜(いがらしとおや)君。


スポーツ万能。身長百八十センチ、体重不明。けど痩せても太ってもいない。


容姿は、私はカッコイイって言ってるけど、友達は普通だって……。

けど、私には似合わない。もっと現実を見ろと指摘する人達はいる訳で……。


そんなに悪い事なのかな?片想いするの。

そんなにダメなの?人を好きになるのって。



「真奈実。またフラれた? 今日で何回目よ。イイ加減諦めなって」


「うー。今日で五回目です。でも諦められない……」


五十嵐君に告白する事五回。そのたんびに玉砕している……。


人に言われる前に本人に相手にされていないという、悲しい現実。


「でも真奈実のそのしぶとさ、向かって行く潔さ、諦めないしつこさ。そこは賞賛に値するよ」


「未羽ちゃんヒドイ」


「褒めたのに、ヒドイなんて」


「褒めてない」


「まあ、さ。男は五十嵐一人じゃないって事よ。あんたでもいいって言ってくれる人、絶対いるって」


「未羽ちゃんの鬼!」


「あらら。怒らないの。ほら、ポッキーあるよ?」


「うー。手なづけられてるぅー」


私は未羽ちゃんの前の席に座り、ポッキーを一本頂いた。




五十嵐君に告白する為、昼休みを十分に取れなかった。


と言うか、お弁当など食べていられなかった。

緊張して、それ所ではなかったのだ。


いくら五回目とはいえ、やっぱり緊張するし、震えたりもする。


いつもの?人があまり通らない渡り廊下に五十嵐君を呼び、好きです。付き合って下さい。と言う。


ただ、「好きです」なんかじゃ物足りない。

彼女になりたい。


けど答えは決まって「興味ない」


私が嫌だとか、体型がどうのとか言わない五十嵐君は優しいと思う。


でも、興味持って欲しいな。


ポッキーをもう一本食べながら考える。

やっぱり痩せるべきだろうと……。



「未羽ちゃん、やっぱり痩せてる子の方がいいよね?」


「んー。人それぞれだと思うけど? ほら、何とか専っているじゃん」


「五十嵐君に釣り合う様になりたい……」


「五十嵐の好みは痩せてる子なの?」


「恐らく………」


「じゃぁダイエットだね。でも無理して合わせる必要ないと思うんだけどなぁ。あんたの一途さ、可愛いよ? 要は中身も大事なんじゃないかな?」


「五十嵐君に興味持たれたいもん」


「じゃぁ自分を磨くとか?」


「磨いてキレイになるかな?」


「努力あるのみ。さて、次は美術だよ? あんたの得意科目じゃん」




次の授業の準備をして、私達は教室を出た。


好きな美術も身が入らないかも。

やっぱりしつこいかな?私。五十嵐君も迷惑だよね……。

受験もあるし、クリスマスに告白して諦めようか。


廊下の窓の外に目を向ける。

校庭でサッカーをしている五十嵐君が目に入った。


やっぱりカッコイイ……。

そんな五十嵐君を見て、ふと視線を移すと、私と同じ様に五十嵐君を見ている女子が目に入った。


五十嵐君と同じクラスの吉井さん。ジャージ姿でも可愛いな。

彼女も五十嵐君が好きだと言う。


やっぱり可愛い子の方がいいんですか?



コンプレックスの塊の私は足早に美術室に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ